「ファンキー竹取物語」が話題です。
卑屈な奈良県民bot(@nntnarabot)が、Twitterに竹取物語を現代っぽくパロディした作品を4つのツイートに分けて投稿したところ、合計で2万2千回以上リツイートされ、5万8千を超える「いいね」が集まりました。
「古文を学ぶ理由がやっと分かった」「教養、人生をいと豊かにせむ」といったコメントや、「使われてる言葉のジェネレーションギャップがやばい」「もっと読みたい」と大きな反響が寄せられました。
「ファンキー竹取物語」
「ファンキー竹取物語」 ガチの昔。竹取の翁といふ陽キャありけり。 野山に混じりて竹をバチクソ取りつつ、メルカリとかで売りけり。 ある日、スーパー玉出並みに光るヤベェ竹なむ一筋ありけり。 翁、パネェと思ひて中を見るに、タピオカ並みの小人ぴえんしてゐたり。マジ卍。もはや草超えて竹生えるw
以下続き。
バイブスあげぽよの翁言ふやう、
「山でエンカウントしつる竹、ガチ臨界反応状態。写メ撮りてSNSにアプれば、バズりぬべし。さればワンチャン持ち帰らむ」
とて、ドルチェ&ガッパーナの籠に入れ、家へと持ち帰りたり。
妻の嫗、うち喜びて、秒でインスタへ上げつ。
然らば、バズりける事この上なし。
この姫養ふほどに、はや三月ほどで美しきJKへ育ちぬ。
翁調子乗りて、YouTubeアカウント開設せり。
チャンネル名をば「なよ竹のかぐや姫」とノリで決めつ。
されば嫗、SNOWで姫の顔面盛りて、動画上げつれば、忽ちチャンネル登録者数伸びにけり。
かくて翁、広告収入を得、やうやう豊かになりゆく。

されば帝、かぐや姫の世に似ず美しきを聞こしめして、スパチャ送るやう、
「其方、いと美しけり(笑)住まい何処なりや?会ふべし?齢幾つぞ?今暇?会はず?さてもLINEしたるや?さてもLINEしたるや?」
といへば、かぐや姫答へるやう、
「あな、かしかまし。運営に報告せむ」
とて、ブロックせり。
何この物語! 面白すぎでしょwww
公式も反応
@nntnarabot スーパー玉出並みに光るヤベェ竹←(*꒪ヮ꒪*)www
にしても、スーパー玉出さんもノリ良すぎだよ〜(笑)
卑屈な奈良県botは、創始者である「ばっきーぬ」さん(@xxbakkii)と「あをにまる」さん(@aonimaru_games)によって運営されています。
あをにまるさんは、文章を書くのが好きで小説を書いたり、フリーゲームを製作したりしている傍ら、ばっきーぬさんはイラストが得意で、Twitterのヘッダー画像や、あをにまるさんが制作したフリーゲームのタイトルイラストなどを描いています。
BuzzFeedは、そんな奈良県民botの中の人「あをにまる」さんにお話を聞きました!
もともとあをにまるさんはもともと、「今昔奈良物語集」という文学作品の舞台を、現代の奈良にパロディした短編小説を小説投稿サイトに投稿していたんだとか。
「これまでは近代文学を中心にパロディしていましたが、初めて古典をパロディしてみようと思い、試しに冒頭部分をTwitterに投稿しました」と、今回の投稿に至った経緯を教えてくれました。
ーーそれにしても、古典をファンキーに書き換えるって、天才的におもしろい発想だなと思ったのですが、そのアイデアはどのように生まれたんですか?
「現在『なら☆こい』という、主人公の女子高生・小野妹子が奈良の歴史上の人物と恋愛をするという乙女ゲームを製作しています」
「そこに登場する攻略対象キャラの聖徳太子がルー大柴ばりに現代語の混じりまくった古語で喋るという設定なので、セリフを書くために古語をネットで勉強していました」
「その途中でなんとなく『これ、竹取物語に置き換えても面白いのでは?』と思いつきました」
今回の「ファンキー竹取物語」のきっかけとなった、自作乙女ゲーム「なら⭐︎こい」を絶賛開発中なんだとか。

ーー「ファンキー竹取物語」で、お気に入りの場面はありますか?
「帝の『其方、いと美しけり(笑)住まい何処なりや?会ふべし?齢幾つぞ?今暇?会はず?さてもLINEしたるや?さてもLINEしたるや?』の部分ですね」
「竹取物語が成立したとされる平安時代は、恋愛といえば夜這いがデフォルトですが、現代同様、当時も若い女性に和歌を送りまくるようなチャラ男はたくさんいたのではないでしょうか」
学生時代
ーーギャル口調の物語はとても読み応えがありましたが、学生時代の古文に何か特別な思い入れがあったのでしょうか?
「学生時代は英語が死ぬほど嫌いで、英語の授業中はずっと英単語を調べるふりをして、電子辞書に入っていた日本文学作品集を読み漁ってました」
「英語の文章に比べれば、昔の日本語のほうがまだ多少まともに読めたので。また、古典に限らず、現代文の有名文学作品も大好きです」
奈良県との関連性
ーーところで、ずっと気になっていたのですが…。竹取物語と奈良県には、何か繋がりがあるのですか?
「よくぞ聞いてくれました」
「私の住む奈良県には広陵町という町は、自称『かぐや姫のモデル地』なのです。町内には竹取の翁こと『さぬきの造』の名を冠した『讃岐神社』などもあります」
「まあ、実は奈良県以外にも自称モデル地の街はたくさんあるのですが…。僕はこの広陵町が『かぐや姫のまち』であると信じています」
反響を受けて
ーー投稿に多くの反響が寄せられてみて、どんな心境ですか?
「いとビビりけり」