観光客が増えすぎて…昔と変わってしまった15の観光地

    住民たちは、故郷がディズニーランド化していると警告している。

    1. バルセロナ(スペイン)

    Sopa Images / Getty Images

    観光ブームに沸くスペイン。バルセロナは特に人気だ。街の中心にある歩行者専用のランブラス通りは、かつてはおしゃれでファッショナブルな場所だったが、今は土産物屋やファーストフードのチェーン店が立ち並び、観光客でごった返している。

    その近くにあるボケリア市場は、さまざまな食材や農産物が手に入る人気スポットだが、ここも観光客でいっぱいだ。そして、サグラダ・ファミリアをはじめとするガウディの名建築には、長蛇の列ができている。まるでディズニーランドのようだ。

    住民の中には、不満を募らす人もいる。観光シーズンのピークである7月には、観光ビジネス反対の幕を掲げた活動家たちが発煙筒を焚き、観光バスを乗っ取った

    ランブラス通りを住民の手に取り戻そうとする計画が進んでいる。当局は、バケーション用にAirbnbで違法貸出されている部屋を取り締まり始めた。

    2. パラオ

    Benjamin Lowy / Getty Images

    観光客の入国統計データでは、パラオは上位に入るわけではない。しかし、毎年およそ15万人の旅行者がやってくるこの太平洋の小さな島は、公害や野生生物の密漁・密猟、サンゴ礁への被害といった代償を払っている。

    責任ある観光事業を促進しようと、政府は「パラオ・プレッジ(誓約)」を導入した。入国する観光客のパスポートには、これから足を踏み入れる場所の環境を守ることを義務づける内容を記したスタンプが押される。

    3. ヴェネツィア(イタリア)

    Ian Gavan / Getty Images

    イタリアの宝石と言われるヴェネツィア。そこに住む住民たちは、自分たちの街を「侵略する」大勢の観光客について、昔から不平を訴えてきた。当局者も、人ごみを管理し、地域社会を保護するためのアイデアを試みてきた。

    当局は2018年4月の「イタリア解放記念」の休日期間、リアルト橋とサン・マルコ広場に向かう旅行者用ルートを定め、人通りの多いエリアから住民を隔離するためのゲートを設置した。

    住民は「ヴェネツィアはテーマパークではない」と主張し、ゲートを撤去した。

    4. アムステルダム(オランダ)

    Nurphoto / Getty Images

    2018年12月、アムステルダム市長は、同市の有名な「飾り窓地区」を改革し、そこで働く人々に対して暴言を吐く、酔った旅行者を厳しく取り締まる計画を発表した。

    5. ピピ島マヤ湾(タイ)

    AFP=時事

    レオナルド・ディカプリオ主演の映画『ザ・ビーチ』の撮影が行われたことで世界的に注目を集めたマヤ湾。近年のこの地域は、映画で描かれた「人けのない島」とは大違いだ。

    タイ国政府観光庁は2018年、景観を元の状態に戻すため、4カ月間ビーチへの立ち入りを禁止。この期間に湾を訪れることは厳しく制限された。ボートはビーチから400メートル離れたところまでしか接近できない。

    6. ウルル(オーストラリア)

    Chris Jackson / Getty Images

    ウルル(別名エアーズロック:世界で2番目に大きい一枚岩)の伝統的所有者であるアボリジニは以前から、ウルルに登らないよう観光客に懸命に訴えてきた。主に文化的な理由によるが、登るのは非常に危険だからという理由もある。

    2017年末、ウルル=カタ・ジュタ国立公園の委員会は、2019年10月以降ウルルへの登山を一切禁止することを、満場一致で決定した。

    この発表以来、1日50~140人だったウルル登山者は、300~500人に増えている

    7. マチュ・ピチュ(ペルー)

    Frederic Soltan / Getty Images

    ペルー観光委員会は2018年初めからインカ帝国の神聖な遺跡を守り保存するため、遺跡を訪れる時間と退去する時間、遊歩道の設置、持ち込めるもの持ち込めないもの、ツアーの人数などについていくつかの規制を試行している。

    8. ドブロブニク(クロアチア)

    AFP=時事

    TVシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』の主要ロケ地だったドブロブニクは、このドラマのロケ地見学にやってきた旅行者たちに対する取り組みを進めている。

    多くの旅行者がドブロブニクにクルーズ船でやってくる。クロアチアの西側に位置するダルマチア海岸は1月から10月の間、644のクルーズ船ツアーを受け入れたが、その50%以上がドブロブニクに行くものだった。

    ちなみにクロアチアは地元住民に対する旅行者の割合が1380%を占める。

    9. ハナウマ湾(ハワイ)

    DeAgostini / Getty Images

    サンゴ礁に悪影響を与えている原因のひとつが世界の海の温暖化だ。しかしある研究では、日焼け止めに使われている化学物質がサンゴに悪影響を与えているという結論が出ている。ハワイで人気のシュノーケリング・スポット、ハナウマ湾では、1日平均2600人近い海水浴客が約187kgの日焼け止めを海に流しているという。

    そのためハワイでは、紫外線吸収剤である「オキシベンゾン」と「オクチノキサート」を使用している日焼け止めの販売を禁止した。

    10. ボラカイ島(フィリピン)

    Picture Alliance / picture alliance via Getty Image

    観光客でごった返すフィリピンのボラカイ島は、海岸の清掃と環境回復の目的で、2018年4月から10月まで一時的に閉鎖された。

    閉鎖する前のボラカイ島には、たくさんの観光客に対応できるだけの廃棄物管理施設が備わっていなかった。ロドリゴ・ドゥテルテ大統領も、ボラカイ島周辺の海は「汚水槽」のようだと表現した。

    11. チンクエ・テッレ(イタリア)

    Athanasios Gioumpasis / Getty Images

    イタリアのリヴィエラ地方にあるこの町が、今日知られるような観光地になったのは、趣のある色とりどりの建物が並ぶ絶壁の壮大な景観のおかげだ。

    マナローラの墓地からは、素晴らしい眺望が臨める。大勢の旅行者がこの隠れたスポットに気づいたため、地方自治体はボランティアを雇い、不品行を働く不届きな観光客がいないか墓地を監視している。

    12. サントリーニ島(ギリシャ)

    Athanasios Gioumpasis / Getty Images

    ギリシャは2018年末までの1年間で3200万人の観光客を迎える。2010年と比較すると2倍以上だ。観光客の多くは島に向かう。中でもサントリーニ島は非常に人気が高い。

    新婚カップルや浮かれた観光客で賑わうこの島には、2017年は550万泊の宿泊があった。住民は、水やエネルギーが足りなくなるのではないかという不安の声を上げている。当局は、島に来る船の数を規制している。

    13. 京都(日本)

    Kyodo via AP Images

    日本を訪れる人の多くは、依然としてまず東京に立ち寄る。しかし、新幹線に乗って2時間の京都・嵐山の竹林や神社の鳥居、清水坂などのインスタ映えスポットが人気だ。

    だが住民は、急なブームで押し寄せた観光客が、狭い通りを塞いでいることを歓迎していない。バスの運行は滞り、住民はレストランの予約を取るのにも苦労している。

    14. ブダペスト(ハンガリー)

    Thierry Monasse / Getty Images

    19世紀から続くこの東欧の街は夜ごと観光客で賑わい、住民は苦痛に感じている。大音量の音楽が家の中にまで響き、酔っぱらった旅行者が通りをうろつき、住民は玄関前に吐しゃ物を見つける。そんなひどい話を聞くのも珍しくなくなった。

    やむを得ずもっと静かな場所へ引っ越す人もいるが、残った人たちは、バーの閉店時間を早めるなど、夜間の規制強化を求める運動を行っている。

    15. ギザの大ピラミッド(エジプト)

    youtube.com

    古代建造物を損なわないようにするため、ピラミッドへの立ち入りは厳しく制限されているが、法を犯すスリルを求めてピラミッドに登る向こう見ずな旅行者もいる。

    一番注目を浴びたのが、ピラミッドのてっぺんでセックスしているフリを撮影したこちらのカップルだ。

    エジプト考古省は、この事件の調査を開始した。

    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:浅野美抄子/ガリレオ、編集:BuzzFeed Japan