不安症を抱える私が身につけた、不安と暮らすための10のコツ
気を悪くしないで聞いてほしいんだけど、あなたの不安はね、とんでもない嘘つきなんだ。
不安な気持ちって、世界を見る目や他の人との関わり方、そして自分についての考えを歪めてしまいかねない。

今あなたが感じている不安が一時的なものであれ、診断がついた不安症であれ、不安にとらわれてしまう時って、不安が語ってくる嘘をいとも簡単に信じてしまうものだ。
もしあなたが少しでも私と似たタイプの人間なら、そうした嘘(自分は無能な人間だとか、いつも何をしてもうまくいかないとか、自分は十分じゃないとか)には、イライラしてしまうし、激しく落ち込んでしまうだろう。
なので、私がこれまで不安と共に生きてきて学んだポイントを下記に挙げてみる。

不安がその頭をもたげた時に、撃退するためのちょっとしたおまじないとして覚えておいてほしい。
1. 自分が思うほど、他人は自分のことなんて気にしていない。
あのね、ほとんどの人は自分のことで頭がいっぱい。それって、がっかりするような話に聞こえるかもしれない。
でも実はこれ、世界で一番ホッとする事実なんだ。ほぼ間違いなく、いついかなる時だって周りの人たちは、自分自身の考えや問題、人生のゴタゴタ、不安で頭がいっぱいになっている。
つまりこの人たちは、あなたが心配しているほど、あなたのことをあれこれ判断する時間もなければ元気もないってこと。
2. 難しくて不安になるからやりたくないことでも、チャレンジすることで少しずつ楽になっていく。

自分が不安になるって分かっているものから、隠れたり逃げたりしたくなるのは、よく分かる。だって、そういうストレスたっぷりの時に、それが永遠には続かないんだって思い出すのは、絶対ムリだから。でもね、永遠には続かないよ。
本当のところは、自分ができないと思っていた何かにチャレンジするたびに、マシになっていくし、強くなっていく(この話、セラピストも同意している)。
言ってみれば、将来的に冷静にこなせるように、今日不安を経験して不安を投資しているようなものだ。なので次回、授業に出る時、電話をかける時、デートに行く時、少しだけ楽になっているはず。
3. 些細な「勝利」を祝ってもいい。

何かを頑張ってもやり通そうとしてもできない日も時にはある。でもそれでもいいんだよ。
私にとって不安はこれまでずっと、一歩進んでは二歩下がるようなものだった。不合理なパニックを起こして自分で自分をなだめるような時は、予定をキャンセルして、最悪の事態のことばかり考えてしまう日もある。
そんな日には、ベッドから出たり、気分転換でなんとか外に出て近所を散歩したり、薬を飲んだりするだけでも、勝ったって言える。良い日も悪い日も同じ基準で自分を判断しちゃだめ。
4. 友達は、あなたを大好きでいてくれる。不安のせいで、そうは思えないかもしれないけど。

不安を抱えている人の中で、友達が実は心の中では自分のことを嫌っているとか、せいぜい我慢してくれているだけ……なんて考えたことがあるかもしれない。
不安って、イライラさせたり、自分の人間関係を疑わせたり、自分が拒絶されるように入れ知恵をしたりするのが本当にうまいんだ。
でも聞いて欲しい。あなたの友情はたぶん、自分で思っているより強いものだから。
ある調査で、社会不安を抱えている人は、自分の友情に関して歪んだ考えを持っていることが分かった。こういう人たちは自分の人間関係を弱いと評価した一方で、友人たちはその人を親しい友達だと評価していたんだ。
たとえあなたが社会不安を抱いていないとしても、不安のせいで自分は重要じゃないって思ってしまいかねない。だから、たいていの場合は、それは間違いだって、焦らずに思い出すようにしよう。
5. 不安のせいで、非現実的なレベル設定をして頑張ってしまうもの。でも不安を完全になくす必要なんてない。

不安が自分の生活の中で大きな割合を占めていて、でもよくなりたいと思う時、とんでもなく期待を高く持ってしまう罠にかかる可能性がある。不安を完全に克服するのがゴールだと思ってしまい、中にはまったくもって健全で人間らしい不安もあるってことを忘れてしまう。
なので、不安が一切ない理想の自分になろうとして、不安を完全に克服しなきゃってプレッシャーを自分にかける代わりに、自分にやさしくして、もっと現実的な期待を持つようにしよう。
つまり、不安を抱えつつも物事をやり遂げる方法を学ぶとか、不安症であってもなりたい自分になれるってことを自分に示してあげるとか。
6. 人間関係のゴールは、相手に承認してもらうことじゃない。だから不安に駆られて、誰とだってうまくいく自分を演出する必要なんてない。

「社交的なやり取りがうまくいくこと」と、「人に好かれること」を同じだと考えている自分は、罪だと思う。そしてそのせいで、たいていは、何だか大失敗したような惨めな気持ちで人との会話を終えることになる。
ひとつ、とても役に立ったのは、誰かと会う最終目的は、相手から承認してもらうことではない、と自分に言い聞かせること。
世界にはたくさんの人がいるんだし、みんなに好かれるなんて無理!
新しく出会った人とのコミュニケーションは、オーディションなんかじゃない。お互いが、「この人と相性いいかな?もっと仲良くなりたいかな?」と自問する、双方向での評価なのだ。
7. 不安は、サイクルにあなたを引きずり込む。でも「とっととうせろ」って言ったっていいんだよ。
不安ってやつは、こうだ。あいつが耳元でささやくと、あなたは本当にそうだと信じてしまう。そのドロドロしたサイクルにはまってしまいかねない。
例えば、私がいつもはまってしまうサイクルはこうだ。
私の人付き合いは災害レベルで、私と一緒にいたい人なんて誰もいない、と不安が私に耳打ちしてくる。それに耳を貸すと、私は意図的に孤立してしまう。で、人を寄せ付けない妙な感じになってしまい、結局、人は私に近づこうとするのをやめてしまう。
それで私は、「ほらね?私の不安は的中した!みんな私のことなんて大嫌いなんだよ!」となってしまうのだ。
「起こると思っているからこそ起こる」というのは、不安が持っている中でも最強の武器だ。だって、全部自分のせいだって信じさせられてしまうのだから。
代わりに、様子を見ながら、不安症ってやつは嘘つきの嫌な奴なんだって自分に言い聞かせよう。そして、そいつが間違っているって証明してやろう。
おそらくそうしている間に、もっといい結果を引き寄せるオーラを出すようになるだろうし、もっと自信を持てるようになるはずだ。
8. あなたには、恐怖に支配されずに自分で決断を下す能力がある。

誰だって、何かを決める時は恐怖をもとに決断を下す。不安を抱えている人ならなおさらだ。
私が昔お世話になっていたセラピストは、よくこう言っていた。「自分が恐れていることよりも、自分が求めていることや、自分にとって大切か否かを考えてみて」。
不安のせいで脳みそが自動的に「ノー」だとフラグを立てる時、ちょっとした言葉で自分にはっぱをかけなければいけない時もある。いろいろ考えた結果、自分にこう言うんだ。
「確かに不安にはなる。でもやってみたいし、できるはず。だってやらなかったらたぶん後悔すると思うから」
9. 最悪の事態とか最善の事態よりも、実は「ごく普通」程度の事態がたくさん起こるもの。
慢性的に悲惨な事態を考えてしまう私は、最悪の事態と同じくらい、最善の事態も考えてみるようアドバイスをもらったことがある。でも正直言って、それはまったく手助けにはならなかった。
というのも、私は頑固な不安症の皮肉屋だから。それよりも役に立ったのは、思いつく中で最も平凡で現実的な結果を思い浮かべてリハーサルすること。こうすれば必ず、最悪の事態を考えてしまうのを克服できる。
10. 自分なりのサポート・システムを作ったっていい。

私は、不安をやり過ごすためのグッズを自分なりに一式取り揃えるのに、ものすごい時間がかかってしまった。でもいったん揃えたら、その一式(抗不安薬のロラゼパム、リラックスできるキャンドル、それから飼い猫)に加えるべきのもので、一番忘れちゃいけない存在は、私を助けようと手を差し伸べてくれる人たちだって気づいた。
信頼しているセラピスト。私を助ける方法なんて、ほとんど知らせてなかった友達。私の限界を知っていたけど、必要な時はやさしく背中を押して勇気づけてくれた同僚たち。時々起こる不安症の発作をお互いに支えるための、感情面での支援グループでもあるグループ・チャット。
ひとりで頑張らなくていいって、言われたことがあると思う。でも繰り返す価値はあるから言うね。弱い自分でいるのって、怖い。でも不安って、孤独の時にこそ大きくなるもの。助けてもらったっていいんだよ。
この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:松丸さとみ / 編集:BuzzFeed Japan