時は2020年。世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルス感染拡大をパンデミック(世界的大流行)だと宣言してから、約2カ月がすぎた頃のことです。
職場での雑談、同僚とのお昼休憩など、さまざまなことができなくなりました。
アメリカ・ロサンゼルスでビデオディレクターとビジュアル・エフェクト・アーティストとして活動しているキャッシュ・バニーさんのように、自宅で仕事をすることが孤独に感じるようになった人も少なくありません。
キャッシュさんは、パンデミックの影響を受けている人々のために、バーチャルなコワーキングスペースの役割を果たす「Zoom」を主催することを思いつきました。誰でも無料で参加できるこのZoomは「Edit Party(エディット・パーティー)」と呼ばれています。
エディット・パーティーのいいところは、いつでもどこからでもログインでき、常に誰かがZoom上にいることです。「一晩で(Zoomを)止めたのは最初の日だけだったと思いますが、それ以降は止めずにずっと続いています」
マサチューセッツ州ボストンを拠点とするドキュメンタリストのモネ・イザベスさんも、エディット・パーティーに参加しました。「知らない人ばかりのZoomに参加するのは緊張します。でも、エディット・パーティーにログインすると、すぐに誰かが気付いてくれて、みんな歓迎してくれます」と語っています。
エディット・パーティーの唯一のルールは、マイクをつけてはいけないこと。「ずっとしゃべっていては、何もできませんから」とキャッシュさんは言います。
このチャットのおかげで世界中に友人ができ、参加者たちが直接会うイベントもできるようになりました。10月、モネさんはアメリカ東海岸で開催されたイベントに参加し、エディット・パーティーで出会った友人たちの声を初めて聞きました。
キャッシュさんはそのようなイベントで交友関係が広がり、現在はエディット・パーティーで知り合った3人のルームメイトと暮らしています。
現在、エディット・パーティーには71カ国からさまざまな言語を話す参加者が集まり、今年5月には1周年を記念して初の「エディット・フェスティバル」が開催されました。
キャッシュさんは、エディット・パーティーを始める前には、大きな「デスクワーク疲れ」を感じていたそうですが、それ以来、自分の仕事に「ポジティブな面」を見つけられるようになったそうです。
「エディット・パーティー」の公式サイトはこちらから!
この記事は英語から翻訳・編集しました。 翻訳:アシュウェル英玲奈