数千ドルをビットコインで支払わないと奥さんに浮気をバラすぞ、という脅迫状を男性に送りつけている詐欺師がいる、とFBI(米国連邦捜査局)が警告している。
FBIのインターネット犯罪苦情センターは8月7日、「ゆすり未遂の通報が増加している」との警告文を出した。
ワシントンD.C.のテレビ局WJLAは、こうした脅迫状のうち1通を公開した。受け取ったのはワシントンD.C.在住の男性ジェフ・ストロールさんで、印字された手紙には、ストロールさんの名前が書かれていた。
「私の名前はGreySquare15だ。あなたが奥さんや他のみんなに秘密にしていることがあるのを私は知っている。もっと重要なのは、あなたが隠していることの証拠を私が持っているということ。奥さんがこれを読むといけないのでここに詳しくは書かないが、何の話だか分かるだろう?」と書いてある。
「手紙を開けて読みましたが、なんだか胸が痛くなりますよ」とストロールさんはWJLAに話した。ストロールさんはまた、奥さんに秘密にしていることは何もなかったので、このことはすぐに話したと述べた。
手紙は、ストロールさんに1万5750ドル(約170万円)を9日以内にビットコインで支払うように要求していた。手紙の差出人はこの金について、「口止め料」としている。支払わないと、友達、家族、隣人にもこの「秘密」をバラす、というのだ。
「もし期日までにビットコインを支払わなかった場合、証拠をみんなに公開する。あなたができるせめてものことは、奥さんに白状することだ。そうすれば友達や家族が秘密を知る前に奥さんが説明できるだろう」と書いてある。
FBIからの警告文によると、この手紙には複数のパターンが存在するが、共通のテーマがいくつもある。人の名前やユーザー名、パスワードを使っての脅しなどだ。
手紙は通常、浮気やポルノサイトの利用、その他信用を落とすような何らかの情報を非難する内容で、「例のアダルト・ビデオ・サイトにマルウェアを仕込んでおいた」などの言葉が書かれている。
「金品を脅し取るこのような詐欺は、信憑性を上げるために現在起こっていること、例えばよく知られた犯罪やインターネットまわりの新しいトレンドなどを巧みに利用するべく変化していく、ということを覚えておくことが大切です」とFBIは説明する。
今回の脅迫状は、既婚者向けの出会い系サイト「アシュレイ・マディソン」が2015年にハッキングされた後に出回ったものに類似している。