帝王切開のために妊娠中の妻を病院へ乗せて運転中の男性 移民を取り締まる当局職員によって拘束される

    「長い間、息子を待っていったのに、夫は連れ去られてしまったのです」と彼女は言う。

    36歳の男性は妊娠中の妻を帝王切開のアポイントを入れていた、南カリフォルニア州の病院へ連れて行くために車を走らせていた。しかし、彼は移民税関執行当局(ICE)の職員に拘束された。

    この事件は夫妻がガソリンスタンドへ立ち寄った際に発生した。

    マリア・バネガス氏がアメリカのスペイン語放送局・Telemundoに語ったところでは、彼女の夫、ジョエル・アローナ・ララ氏は第5子の出産のため病院に向けて彼女を乗せて運転し、途中でカリフォルニア州サンバーナーディーノにある自宅付近のガソリンスタンドに立ち寄った。

    その際に、ICE職員たちが乗るSUV数台に囲まれたという。

    職員たちは2人に身分証明書の提示を求め、彼女は自分のものを差し出した。彼女の夫は身分証明書を紛失していたと彼女は言う。アローナ・ララ氏は12年前にメキシコからアメリカに渡った移民だが記録がなかった。

    「コピーが自宅にある、一緒に来てもらっても構わないと職員に言いました。自宅からは3ブロックしかないところだったのです。職員は受け入れず、彼に車から降りるよう要求しました」とバネガス氏はTelemundoに語った

    彼女の夫は車から降り、職員は彼が武器を持っていないか確認した。

    「初めは私たちも落ち着いていました。何かの間違えだと思っていました。夫には犯罪歴はありませんし、お酒も飲まないのです。彼を拘束する理由は何もありませんでした」と彼女は話す

    しかし職員は彼を拘束し、彼女にカードを渡した。カードにはICEのロゴと電話番号があり、職員は彼を連れ去る前に、そこへ電話して詳しい話を聞くよう彼女に告げた。

    「移民局に夫が連れ去られたのだということを理解しました」と彼女は話す。同氏は子癇前症で命の危険の恐れのある妊娠状態だった。

    KCBS-TVで放送されたセキュリティーカメラの映像には彼が車を降り、ICE職員に拘束される様子が映っていた。バネガス氏が泣いており、夫が連れ去られて少ししてから電話をかける様子も映っていた。

    彼女は「打ちのめされ、動転していました。涙が止まりませんでした」と話す。

    アローナ・ララはアメリカに不法滞在していたので拘束したとICEの広報担当者はBuzzFeed Newsに認めている。

    アメリカに不法滞在していたメキシコ国民のアローナ・ララ氏は水曜日、カリフォルニア州サンバーナーディーノのICE不法移民取り締まり職員によって収容所に入れられた。彼は現在ICE収容所におり、移民審査行政室による国外退去手続きが進行中だ。

    ICEは引き続き、国家安全保証、治安、国境警備に対する脅威となりえる個人に対する取り締まりに注力していく。ICEは連邦法と同局ポリシーに準拠して、ターゲット型の移民取り締まりを実施している。しかしICEは外国人の強制退去の取り締まりで免除を認めなくなった。移民法を違反している者は全て逮捕、拘束の対象となり、国外退去の最終命令を受けると、アメリカから国外退去となる。

    当初、同氏に犯罪歴があるか同局は明らかにしていなかったが、その後、彼にメキシコで殺人罪の逮捕令状が出たままになっていることを認めた。

    「このケースでは、ICE職員は母親の命だけでなく子供の命も危険にさらしました。子供はこの国の国民なのです」とアローナ・ララ氏の弁護士エミリオ・アマヤ・ガルシア氏はUnivisionに語った

    彼は「ICEの捜査対象ではありませんでした」と弁護士は話し、この逮捕を「不運な巻き添え」と呼んだ。

    夫が拘束されたあと、バネガス氏は自分で病院まで運転し、男の子を出産した。

    「とても酷いです。今は最悪な気持ちです」と彼女は病院のベッドで新生児の息子を抱きながらスペイン語でKCBSに話した。

    「夫はここにいなければいけません」と彼女は言う。

    「長い間、息子を待っていったのに、夫は連れ去られてしまったのです」

    この記事は英語から翻訳・編集しました。