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「後悔はしていなくても、悲しんでいい」中絶を経験した女性が、SNS上で “話す場所” を作った理由

自身も人工妊娠中絶を経験したケイリンさん(19)が、中絶当事者が話し合えるプラットフォームを設立。「自分の決断を後悔していなくても、悲しみを感じたり、『もしあのとき…』 と悩んだりしてもいいのです」と話します。

中絶の是非を巡って、激しい論争が行われているアメリカ。

Don Emmert / AFP via Getty Images

人々の問題意識や意見、傾向に関する情報を調査する研究機関、ピュー研究所の報告によると、アメリカ人の59%が、中絶は合法であるべきだと考えているといいます。

そんな中、自身も中絶を経験したケイリン・ウェストンさん(19)が投稿した、あるTikTok動画が話題を呼んでいます。

@kaylynweston

You are not alone 💛 Please do not come here to spread hate and negativity, we are already in pain #abortion #therealtruth #hearourvoices #Women #love

♬ Turning Page - Sydney Rose

ケイリンさんの実体験から動画は始まります。「1年前、妊娠が判明。正しい決断だと思い、私は中絶を選択しました」

Ponomariova_maria / Getty Images/iStockphoto

「中絶を経験した女性たちが、『悲しみ』について話すことがタブーになっていると感じます。話し合う場所がないんです」

「だから、私はこの動画を投稿します。中絶を経験した女性たちが、安心して話せる場所を提供したいのです」とケイリンさんは動画を締めくくりました。

投稿には、中絶を経験した人からのコメントが多く集まりました。彼女たちもまた、ケイリンさんのように「自分の決断を後悔しているわけではないけど、思い悩んでいる」と言います。

TikTok: @kaylynweston / Via tiktok.com

ケイリンさんの投稿に寄せられたあるユーザーからのコメント。

「10年経った今でも、(中絶は)自分にとって心が痛むできごと。中絶した決断はよかったって言い切れるけど、その後、たくさんの悲しみや恥と向き合あうことになった」

「女性が中絶の悲しみを乗り越えるのには、何年もかかることがあります。多くの人にとって、中絶は生涯にわたって背負い続ける重荷になることが多いのです」とケイリンさんは話します。

「中絶に対しての最大の誤解は、女性が中絶をすることで幸せになり、その後は自由だ、と思われること。実際には全く逆のことが起こることもあります」とケイリンさんは続けます。

Feodora Chiosea / Getty Images/iStockphoto

「女性が中絶した後に耐えなければならない深い悲しみは、とても孤独で、乗り越えるのが難しいのです」

「妊娠を終わらせることを自分で選んだのだから、悲しんではいけないと感じてしまう人もいます。しかし、赤ちゃんを亡くしたことは事実です。自分で妊娠を終わらせたから、後悔はない、悲観的な考えは持たないとは限りません」

他にも、中絶を経験した多くの女性からケイリンさんの元にコメントが届きました。

TikTok: @kaylynweston / Via tiktok.com

「この10年間、そして今も、中絶した赤ちゃんと同い年くらいの子どもをみるたび、悲しくなる」

TikTok: @kaylynweston / Via tiktok.com

「娘をみると、(中絶した)赤ちゃんのことを考えちゃう。あの頃は、子どもを育てる準備ができなかった。だけど、今も傷ついている」

TikTok: @kaylynweston / Via tiktok.com

「1年前くらいに中絶を経験した。幸せを感じるたびに、自分のしたことを思い出していた。逃げられなかった」

TikTok: @kaylynweston / Via tiktok.com

「22歳のときに中絶を経験した。子育てをするのに良いタイミングだとは思えなかったし、相手が本当にふさわしい人なのか確信が持てなかったから。25歳になった今、妊娠している。(中絶した私が)本当に産んでいいのかな?私にできるのかな?」

TikTok: @kaylynweston / Via tiktok.com

「7年経った今でも、財布にエコー写真を入れて持ち歩いている」

TikTok: @kaylynweston / Via tiktok.com

「5年経った今でも、赤ちゃん対する罪悪感と悲しみでいっぱい。こうやって話せる場所が必要」

「私たちの苦しみは、必ずしも後悔から来るものではありません。自分の決断を後悔していなくても、悲しみを感じたり、『もしあのとき…』 と悩んだりしてもいいのです」

ケイリンさんは、中絶の悲しみについて当事者同士が話し合えるフェイスブックページを設立。このような場所を作ったきっかけをこう話します。

TikTok: @kaylynweston / Via tiktok.com

「例えば多くの人がいる部屋にいても、何かのきっかけで赤ちゃんのことを考えてしまい、突然、孤立や悲しみを感じることもあります。この悲しみは、中絶を経験した女性にしか分からないと思います」

「すべての痛みや悲しみが和らぐとは言えませんが、同じ経験をした女性同士、どこか話す場所があれば、自分が独りではないことが分かる。少しでも女性の心の痛みが軽くなれば…と思っています」

Mario Arango / Getty Images

「同じ痛みを乗り越えようとしている同士が話すことで、自分が経験している痛みを言葉にできる…中絶してからはじめて、自分は独りではないことに気づくのです」

TikTok: @kaylynweston / Via tiktok.com

「他の女性の話を聞いて、彼女たちが感じている痛みを理解する。彼女たちを慰め、サポートをしてあげることで、あなたも乗り越えることができるのです」

「あなたは独りじゃないから」とケイリンさんは話します。

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一般社団法人全国妊娠SOSネットワーク

この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:オリファント・ジャズミン