サッラは、北欧・フィンランドの小さな町。町の謳い文句は「サッラ 何にもない所」だ。

サッラには、フィンランドの最北端にある2つの国境検問所のうちの1つがある。
昨年の暮れ、ヨーロッパの国境を管理する、欧州対外国境管理協力機関(Frontex)は、新たな入国ルートを開放した。いわゆる、北極圏ルートだ。欧州各国が大量の難民・移民の流入を防ごうと対策を取る中、遠回りになるロシア経由のルートが新たな選択肢として浮上した。そして、何百人もの難民・移民たちが、ロシアを通過してフィンランドとノルウェーの国境を越えた。その大半は、アフガニスタンとシリアからやって来た人々だった。
ロシア経由でフィンランドに入国した難民・移民たちが乗ってきた128台の車のオークションが今週末、サッラでは開催される。

ほとんどの難民・移民たちは、自転車に乗って国境を越えた。気温が零度を下回ると、自転車の供給不足という事実も相まって、人々の流入はかなり落ち着いた。
でも、車でやって来る人たちは今もいる。

国境を越えると、亡命希望者たちは、フィンランドの税関で車を手放さなければならない。その後、すべての車をフィンランドの国境警備隊と地元の警察が検査した後、オークションにかけられる。イベント主催者がBuzzFeed Newsに語ったところによると、 約30の国籍が異なる移民たちがサッラの国境を越えたそうだ。
気温がマイナス38℃まで下がった数日も含め、数週間も車の中で過ごしてきた難民もいる。税関によって車が没収されたとき、たくさんの人たちが、おもちゃやベビーフードを残していった。今もまだ検査中の約20台は、今週末のオークションには含まれないという。
オークションは、珍しいモデルの自動車が出品されることを呼び物にしている。

ラーダ、ヴォルガ、そして希少なモスクヴィッチなど、旧ソ連の車も売りに出される。

オークションにかけられる全ての車のカタログは、ここでダウンロードできる。
サッラのエリッキ・パルッキネン町長は、このオークションが、国内外から自動車愛好家を惹き寄せることを願っている。「これは一生に一度の出来事ですから」