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カタツムリが私にくれたもの

この小さな生き物のために、たった一つの世界を築き上げることができた。

つい最近、私は小さなドイツカタツムリを手に入れました。「ドイツ」カタツムリだと思うのは、このカタツムリがドイツから来たからです。この小さなカタツムリは、編集部の同僚のシャーニがネット注文して配達されてきた苗にくっついてきたのです。ドイツからニューヨークに配達されるまで、何日も生き延び、税関職員の手を経て、たどりついたのです。ちなみに私は、ドイツに行ったことはありません。

私は、植物について話し合う社内のチャットルームに参加しているのですが、そこでシャーニが、このカタツムリのことを話題にしました。私の机の上には、たまたま、コケと石が入ったテラリウムがありました。そこには、ミニチュアの公園のベンチに座ったプラスチックの人形が2体入れてありましたが、生き物は入っていないと書き込みました。すると、シャーニは、カタツムリを私にくれると言ってくれたので、私はカタツムリをもらいに行きました。カタツムリは、とても敏感なアンテナと、1円玉より一回り小さいくらいの殻の、思っていたよりも小さくて可愛いらしい生き物でした。アニメに出てくるカタツムリと同じだ、と思いました。

カタツムリを手に入れた初日、私はググりまくりました。まずは、「彼にどんなエサをあげればいいのか?」ということを検索しました。結果は「レタス、ほうれん草」だったので、オフィスで隔週で提供されるサラダバーで、数枚の葉っぱを手に入れました。

ほかにも、たくさんのことを検索し、答えを得ました。「カタツムリは甲殻類か?」答えは「甲殻類ではない」。「彼に水をどれくらいあげるべきか?」→「たくさん」。「彼は有害で、ここニューヨークの生態系を破壊しうるか?」→「その可能性は多分ない」。私は、彼に必要なものをすべて与えてからその日は帰宅しました。翌朝出勤すると、彼はテラリウムでアンテナを揺らしながら、しなびたほうれん草を、むしゃむしゃ食べていました。

彼を飼い始めたのは、ちょっとした悪ふざけのようなものでした。私が披露したい、パフォーマンスのようなものの一つでした。巧妙で、母親のような、ちょっと常識破りのアランナ。私は、みんなが私に持っているこのようなイメージが嫌なわけではないのですが、これが私のすべてではないのです。

私は今年、生まれて初めてまるまる1年間、一人暮らしをしました。初めてのパートナーのいない1年でした。私は初めて、自分の生活を自分が満喫していると感じながら毎朝目覚め、良くも悪くも毎日を真剣に過ごしてきました。

カタツムリが一晩で死ななかったことを、心の底から喜びました。オフィスのキッチンで彼の水を交換し、テラリウムの壁をきれいに洗ったあと、私は達成感を感じました。私はこの小さな生き物のために、たった一つの世界を築き上げることができたのです。

その後、私が大好きな、日本のYouTubeチャンネルについて友人が記事を書きました。ミニチュアキッチンで、ミニチュアサイズの食べ物を調理するチャンネルです。登場するのは、ミニチュアホットケーキミニチュア海老フライです。 私はその友人に私がミニチュアに引きつけられる理由について説明しました。ミニチュアの世界は完全にコントロールできる世界です。自分自身の人生の進路や、一日の流れは決められなくても、とても小さなフォークの位置を変えることはできます。

12月、私はアパートの部屋の入り口に、ミニチュアクリスマスツリーを置きました。その足元にミニチュアボトルのお酒とタバスコも置いてあります。クリスマスツリーの隣には小さな椅子があり、その椅子の上にはミニチュアの丸太小屋の形をした香炉を置いていました。私は帰宅するたびにワクワクします。私が作ったんだ。これはすべて私のもの。ここでは私は安心だ。

私はこのカタツムリの世界を永久にコントロールすることはできません。Googleによれば、カタツムリの中には最長20年生きることができる種もあるということですが、私のドイツカタツムリがその種かどうかは分かりません。彼はすでに19歳11カ月かもしれないし、オフィスの環境に適応できないかもしれません。いまどきの起業家精神旺盛なすべてのペットオーナーと同様、私は一時、彼の姿をネットで拡散しようと試みました 。しかし、彼が出演しているビデオのコンセプトがどれほどすばらしいものであったとしても、彼の動きはあまりに遅いのです。音も一切立てず、iPhoneカメラの方を向くことさえ拒みます。私がガンガン・イケイケで突き進むのとは正反対の彼の無関心さと平静さが好きです。カタツムリは小さくてネバネバしていますが、自分のこと以外に、あれこれと考える対象があることを、私は気に入っています。

もし、来週以降も私のカタツムリが生きていれば、タッパーウェアに穴を開けて、ボストンの実家に彼を連れて行くつもりです。ボストンには他にもペットがいます。忠実な犬、軽蔑した目を向ける猫、そして新しい猫のハリーです。ハリーは母方の祖父母の猫でしたが、昨年、祖父母が亡くなり、住み慣れた家から1000km近く離れた私の実家にやってきました。ハリーをなだめる役は、実家に住んでいる姉が引き受けています。おかげでハリーが一番大好きなのは姉で、ハリーは姉がアート作品を制作中、姉のスキャナーの上に座っています。2016年中には、私は猫も一匹手に入れようと思います。


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