心当たりがある人こそ「もうやめよう」と言おう。「ゼロハラ宣言」の呼びかけ始まる

    すべてのハラスメントを許さない「ハラスメントゼロ」のプロジェクトがスタート

    世の中には、さまざまなハラスメントがあふれている。セクシュアル・ハラスメントやパワーハラスメントだけでなく、性的指向や性自認を理由としたSOGIハラスメント、インターネット上の「ネットハラスメント」や、電車や街で起こる「ストリートハラスメント」もある。

    こうしたすべてのハラスメントをなくすための「ゼロハラ」プロジェクトが11月20日、発足した。

    性暴力やハラスメントの被害に遭った人が声をあげる#MeToo のムーブメントを受け、「声を上げた人をひとりにしない」ために2018年2月に発足したプラットフォーム「#WeToo Japan」の活動の一環。企業や組織のトップに、ハラスメントを許さない決意表明「ゼロハラ宣言」をしてもらうなど、具体的な行動を呼びかけていく。

    Akiko Kobayashi / BuzzFeed

    「ゼロハラ」プロジェクト呼びかけ人の小島慶子さん、松中権さん、白河桃子さん(左から)

    「空気を変えよう」

    エッセイストの小島慶子さんは記者会見で、「ゼロハラ」プロジェクトの発足の経緯をこのように説明した。

    「学校、職場、街、いろいろなところにいろいろな形のハラスメントがあふれています。今までは、嫌な思いをしてもしょうがないとあきらめてきた人もいるかもしれません。でも、時代が変わり、相手の尊厳を傷つけるような嫌がらせや暴力をなくす方向に変わってきました。それを可視化して、空気を変えるキャンペーンをしたいと考えました」

    「ゼロハラ」プロジェクトをはじめるにあたり、 #WeToo Japanのウェブサイトを更新。ハラスメントに関する情報を盛り込んだ。

    #WeToo Japanサイトより / Via we-too.jp

    すべてのハラスメントはつながっている

    ウェブサイトのリニューアルを担当した「なくそう!SOGIハラ」実行委員会の松中権さんは、「すべてのハラスメントはつながっているというのが、サイトの大きなコンセプトになっています」と説明した。

    「ハラスメントが起こる背景には、マジョリティとマイノリティの力関係であったり、なかなか声をあげにくい組織の風土だったりと、根底に共通する部分があります」

    「ハラスメントに関する情報はバラバラに存在していますが、一つのハラスメントは複合的な要因で起きていて、セクハラの裏でパワハラやSOGIハラが起きていたりすることがあります。情報を一カ所に集約することで、気づかなかったハラスメントに気づくきっかけになるかもしれません」

    Akiko Kobayashi / BuzzFeed

    ハラスメント対策は生産性に関わる

    企業や大学、団体のトップに「ゼロハラ宣言」を呼びかけていることについては、少子化ジャーナリストの白河桃子さんが説明。

    「財務省前事務次官によるセクハラ事件があり、企業の意識改革が非常に重要だと考えました。一部ではすでに、ハラスメント対策をコンプライアンスの面だけでなく、従業員の生産性を高めるための働き方改革として取り組んでいる企業もあります」

    すでに、以下のようなゼロハラ宣言が集まっている。

    「多様な個性を活かす社会を作るためには、ハラスメント問題への理解を深め、行動を変化させていかねばなりません。一人ひとりが嫌な思いをせず、気持ちよく働ける社会を目指していきましょう」(青野慶久・サイボウズ社長)

    「働く場だけでなく、学校・地域等にもハラスメントは存在します。自治体のトップとしてハラスメント防止に向けて、意識啓発、職場環境改善等の取り組みを進めます」(成澤廣修・文京区長)

    「ゼロハラ」プロジェクトの呼びかけ人は、記者会見した3人の他に、サイボウズ社長の青野慶久さん、経済ジャーナリストの治部れんげさん、産婦人科医の宋美玄さん。経営者らの賛同人も集まっている。

    Akiko Kobayashi / BuzzFeed

    調査について説明する荻上チキさん(左端)

    性的同意やセクハラ幻想を調査

    身の回りにどんなハラスメントがあるのかを可視化するため、評論家の荻上チキさんが実態調査を実施。

    既存の調査では明らかになっていないことを中心に、関東圏で1万2000人にネット調査。オンラインハラスメント、ストリートハラスメント、セクシュアル・コンセント(性的同意)、セクハラ幻想(被害者の服装など、セクハラにまつわる誤解)の4つの項目に焦点をあてて聞いた。現在、分析中で、近く結果をサイトに掲載するという。

    「ゼロハラ」について、小島さんはこのようにも述べた。

    「私自身はハラスメントの被害者でもあったし、加害者でもあったし、同時に傍観者でもありました。悪気のない行動によって、誰しも加害者にも被害者にも傍観者にもなり得るのです」

    「一度でも加害者だった人は、ものをいう資格がないということであれば、誰も声をあげられません。もしも心当たりがあったのなら、口を閉ざすのではなく『もうやめよう』と呼びかけてほしい。そういう人がひとりでも増えたら、世の中は変わっていくのではないでしょうか」

    調査やサイト設置にかかる費用は、2019年3月10日にチャリティーパーティーを開催するほか、クラウドファンディングで集めている。

    2017年からのハラスメントに関する報道はこちら

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