「娘と二人で物件を探していたときに、審査で落とされちゃったんです」
タレントの最上もがさんが、ひとり親らが「カテゴライズ」されず、個々の生き方が尊重される社会になってほしい、自身の経験をまじえながら語った。
「(仲介業者から、審査が通らないのはシングルマザーであることが理由だと)はっきり言われたわけではないですが、そういうことで引っかかったのだとしたら悲しいなって...」
最上さんは7月12日、事業を通して社会貢献活動に取り組むLIFULLの「しなきゃ、なんてない。」アワード 2021に登壇。
既成概念にとらわれず自分らしい生き方を体現している芸能人として、お笑いコンビ「メイプル超合金」の安藤なつさんとカズレーザーさん、最上もがさんの2組3名が受賞した。
「フラットに見てほしい」

最上さんはアイドルグループ・でんぱ組.incの元メンバーで、2021年5月に第1子を出産。
2020年11月に自身のブログで妊娠を公表した際、「今のところ結婚の予定は御座いません」と、結婚を考えていないことにも言及していた。
最上さんは、出産してから始めてのイベント登壇だったという。受賞後のトークショーで、物件を探していた際、審査に通らなかったことを明かし、「ショックでした」と語った。
「外国籍や性的マイノリティ、シングルマザーなど『カテゴライズ』されることで偏見を持たれることが結構多いかなと感じていたことが自分自身もあったので、もっとフラットに見ていただけたらと思います」
「カテゴライズされないで、一人ひとりが個々として、人間として生きられる世の中になってほしいです」
「否定されるとヘコみ、悩んだ」
妊娠を公表した後、最上さんのSNSには応援するコメントの一方で、否定的な意見も寄せられていた。
「SNSで直接、非難を受ける立場にいるんですけど、自分はこうだと思うことでも、いろんな人から否定されるとヘコんで、自分ってどうあるべきだろうと悩んだ時期もありました」
自身は「価値観はみんな違うよね、という考え方」を心がけている、と言う。
「10人いたら10人が違う意見のこともありますし、ほとんどの人が同じ意見だったとしても、中には少数意見の方もいるのではないでしょうか。自分の意見を押し付けて話すようなことはしないようにしています」
また、LIFULLのCMで同性カップルが子育てするシーンを例に、このように語った。
「男性カップルが楽しそうに子育てしているそのシーンがすごく好きです。人の幸せについて、他人があれこれ言うものじゃない。幸せかどうかは、自分が決めることです」
「こうじゃなきゃ幸せになれないと他人から決めつけて言われるのは、ぼくは悲しいことだと思っているので、堂々とできたらいいなと思っています」
「外見が変わっているから」

同時にアワードを受賞した「メイプル超合金」のカズレーザーさんは、アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)について指摘した。
「僕はみんなと同じように行動しているだけなのに、外見が変わっているから『意外と』などと言われるような気がします。ただ普通にやっているだけなんですが」
最上さんは、受賞のコメントをこう締めくくった。
「自分の生き方というものを、自分の中でもどれが正解だろうと模索しながら生きてきました。こうして賞をいただけて、肯定していただいた気持ちになれたので、これからも自分らしくやっていきたいです」