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就活面接で言われた「私は理解するけど取引先は......」 性的マイノリティが働きやすい職場とは

職場における性的マイノリティへの取り組みの評価指標「PRIDE指標2019」が発表され、LGBT当事者が働きやすい職場づくりの取り組みやアイデアが話し合われた。

職場における性的マイノリティへの取り組みの評価指標「PRIDE指標2019」が10月11日に発表された。

性的マイノリティに関するダイバーシティ・マネジメントの促進と定着を促す任意団体「work with Pride」が2016年、日本で初めて策定した指標。

昨年の1.3倍となる194の企業・団体から応募があり、ゴールド152社、シルバー28社、ブロンズ12社の192社が受賞した(うち4社が社名非公開)。指標のチェック基準が昨年より厳しくなったという。

Akiko Kobayashi / BuzzFeed

職場でどう取り組むか、それぞれの企業の代表が「経営宣言」をした

「PRIDE指標」は、以下の5つの評価指標をもとに審査される。

<Policy : 行動宣言> 会社として性的マイノリティに関する方針を明文化し、社内外に広く公開しているか


<Representation : 当事者コミュニティ> LGBT当事者・アライに限らず、従業員が性的マイノリティに関する意見を言える機会を提供しているか。アライを増やす、顕在化するための取り組みがあるか


<Inspiration : 啓発活動> 過去2年以内に、従業員に性的マイノリティへの理解を促進するための取組み(研修、啓発用メディア・ツールの提供、社内発信、啓発期間の設定など)を実施したか


<Development : 人事制度、プログラム> 結婚や出産、介護などに関する休暇休職、支給金、福利厚生などの人事制度・プログラムがある場合、婚姻関係の同性パートナーがいることを会社に申請した従業員と家族にも適用しているか


<Engagement/Empowerment : 社会貢献・渉外活動> LGBTへの社会の理解を促進するための社会貢献活動や渉外活動をしたか


応募企業は毎年増えており、2016年は79社、2017年は110社、2018年は153社が受賞した。例年、大企業が約8割、中小企業が約2割となっている。

10月11日は、性的指向や性自認をカミングアウトしたセクシュアルマイノリティの人々をお祝いする、国際カミングアウト・デー(National Coming Out Day)。

この日あったカンファレンスでは、企業で働くLGBTの当事者や大学生によるパネルディスカッションでは、カミングアウトの経緯や、就職活動や仕事をするうえでどのような対応があったかを話し合った。

面接官に言われたひとこと

Akiko Kobayashi / BuzzFeed

企業で働くLGBT当事者と大学生が、働きやすい職場について語った

エクスペディアホールディングス代表のマイケル・ダイクスさんは、アメリカの大学在学中にゲイであることをカミングアウトしたが、日本では隠していた。

「2015年にエクスペディアに転職するときに、職場で信頼関係を築きたい、自分の大事な部分を隠さずにリーダーとしての力を発揮したいと考え、カミングアウトしました」

日建設計で働くトランス女性のサリー楓さんは、就職活動中に面接官から「私はLGBTに理解はあるからOKだけど、職場の人や取引先は反対するかもしれない」などと言われた経験を紹介。「当事者が普通に働いているイメージがないのが問題なのかな、と思いました」と語った。

転勤のときに引き裂かれたら......

企業側も、当事者が何を望んでいるのかをわからないという面もあるのでは、と楓さん。人事や福利厚生制度など、目に見えにくい部分での考慮が大切になってくる。

「私は手術をしていないため、戸籍上の性別変更ができず、法律上の結婚もできません。転勤のときに結婚をしていないと考慮されないケースもあり、パートナーと引き裂かれることが不安です」

トランス男性であることをカミングアウトしている東日本旅客鉄道の佐藤海人さんは、トイレや更衣室など職場施設の整備について「当事者と相談しながら進めてほしいが、カミングアウトしていないと難しい」としたうえで、こう提案した。

「新たにトイレや更衣室を作るのは、費用面での課題もあると思います。例えば学生に施設を案内するときに『多目的のトイレはここです。男女別の更衣室のほかのに使える部屋があります』などさらっと説明してもらえると、配慮されているんだと感じられるかもしれません」

当事者の「そっとしてほしい」には

当事者には「そっとしてほしい」という意見もあるのではないか。企業がLGBTに関する取り組みを推進し、わざわざ「アライ」を表明することは、LGBTが特別だということを強化してしまうのでは、といった質問も。

楓さんは「当事者にもさまざまな意見があるが、アライを表明している人は、当事者のためでも他のアライのためでもなく、LGBTについて関心のない人に対して『アライって何だろう』というきっかけづくりになると私は思います」と話した。

BuzzFeed Japanも受賞

TOKYO RAINBOW PRIDE 2019

BuzzFeed Japanは今回初めて応募し、メディア企業としては唯一のシルバーを受賞した。

2016年1月の創刊以来、LGBTやジェンダー、ダイバーシティに関する記事や動画など、情報発信を積極的にしてきた。2018年より東京レインボープライドの公式メディアパートナーとなり、毎年春に「レインボーウィーク」として性的マイノリティに関する特集を実施している。

また社内ではダイバーシティ&インクルージョンに関する研修を実施。人事制度や福利厚生は性的マイノリティに関わらず、法律上の婚姻関係に相当するパートナー関係にも適用され、希望する社員には通称使用を認めている。


Contact Akiko Kobayashi at akiko.kobayashi@buzzfeed.com.

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