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「生理用品は生活必需品。2%引きにします」 ファミリーマートが宣言した理由とは

必需品である生理用品を買うことができないーー。日本でも「生理の貧困」の実態が明らかになる中、コンビニ大手ファミリーマートは生理用品を「2%引き」で販売しています。

コンビニチェーン大手のファミリーマートが、3月8日の国際女性デーの翌日から年内ずっと、生理用品を「2%引き」の応援価格にすると発表した。

ファミリーマート提供

生理用品はファミリーマートの店頭で2%引きで販売されている

折しも、日本でも「生理の貧困」が顕在化し、生理用品を無料配布する自治体が相次いでいる。

生理用品の割引は、ドラッグストアでは一般的だが、コンビニでは異例。しかも年内ずっと、とのこと。

なぜこのタイミングで決めたのか。エグゼクティブ・ディレクターCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)兼マーケティング本部長の足立光さんに聞いた。

「生理用品年内ずっと応援価格」

Akiko Kobayashi / BuzzFeed

ファミリーマートCMOの足立光さん(右)と、広報部の高岡夏さん(左)

「生理用品は、生活必需品の一つです。さらに、コンビニの生理用品には緊急的な需要もあります、日々の生活に必要なものは、少しでもお求めになりやすい価格にて提供したいと考えました」

足立さんと、広報部の高岡夏さんは、生理用品の割引についてこのように語る。

ファミリーマートは、主要ブランドの生理用品25種類を12月31日まで、沖縄県を除く全国のファミリーマート約1万6400店で、通常価格より2%引きで販売している。

5人に1人の若者が「生理の貧困」に直面

生理について啓発・発信する団体「#みんなの生理」が過去1年間に生理を経験した若い世代を対象に実施したアンケート調査では、回答した671人のうち20.1%が「金銭的理由で生理用品の入手に苦労したことがある」と答えた。

団体は、生理用品を軽減税率の対象にすることを求めるオンライン署名も実施している。

スコットランドでは昨年11月、生理用品を無料提供する法案が可決された。ニュージーランドでも今年6月から、すべての学校で生理用品を無料提供するが、日本では国としての取り組みはない。

ファミリーマートでは、国際女性デーに向けて生理用品の割引を数カ月前から企画していたというが、こうした議論のさなかの発表となったため、「企業が政府より先に動いた」「企業のスタンスに勇気づけられた」などとTwitterで話題になった。

「40年間で、社会が変わった」

ファミリーマート公式サイトより / Via family.co.jp

生理用品の割引の取り組みは、ファミリーマートの創立40周年にちなんだキャンペーン「40のいいこと!?」のうちの1つ。5つのキーワードに基づく「いいこと」を順次発表し、各店舗で展開していく。

日本マクドナルド、ナイアンティックなど複数の企業でマーケティング部門のトップをつとめた足立さんを、2020年10月に新設のCMOとして迎えたファミリーマート。

5つのキーワードと「40のいいこと!?」で何を打ち出していくかは、マーケティング部門だけでなく、さまざまな部門が意見を出し合って数カ月かけて決めたという。

「40周年の節目で、ファミリーマートの看板を掲げるすべての店舗とブランドが、何を提供価値として、何をお客様に約束していくんだろう、ということを話し合いました」

その中でも、足立さんたちがこだわったのは、生理用品の割引にもつながる「『あなた』のうれしい」というキーワード。

「40年前から、社会のあり方も、家族の形も、性別のとらえ方も大きく変わりました。いろいろなことが変わりゆく中で、それぞれの方にとって、それぞれにうれしいと感じていただける商品やサービスを提供したい、という意味をこめました」

「女性を応援したいという思いで始めた生理用品の割引ですが、これとは別に、障害のある方や性的マイノリティなど、それぞれの方をさまざまな形で応援する取り組みも今後、予定しています」

変化するコンビニにできること

時事通信

1994年に撮影された、東京都豊島区のファミリーマートサンシャイン南店の弁当・おにぎり売り場

客層としては40代の男性が多いというファミリーマートが、一人ひとりの「あなた」に向けた商品やサービスを展開していく。

広報の高岡さんはこう話す。

「コンビニは変化していく業態です。40年前にファミリーマートとして事業を始めた頃はオリジナル商品などはありませんでしたが、時代に合わせて品揃えが変わってきました」

コンビニおにぎり、カウンターコーヒー、レジ横のホットスナックなどは、今でこそ当たり前のように感じられるが、ライフスタイルの変化や消費者のニーズに合わせて徐々に置かれるようになったものだ。

「今スタンダードになっているものがコンビニのスタンダードだとは限りません。お客様一人ひとりに向き合って、すべてのお客様にほしいサービスを提供していけるのかを突き詰めていけたらと思っています」

5つのキーワードには、「食の安全・安心、地球にもやさしい」や「わくわく働けるお店」など、環境やサステナビリティに配慮したメッセージも含まれている。

足立さんは、企業による発信は商品やサービスにひもづけることが重要だとしながらも、このように話す。

「社会課題に対して、企業が行動に移していくことが、世の中の流れを変えることにつながってきた面もあります。企業としても、お客様にどう思ってほしいかを言葉にしていく必要があります」

「人と人とが何度も会って話して信頼関係を築いていくように、繰り返しメッセージを伝えていくこと、それを店舗で実感してもらえるようにオペレーションも含めて改善していくことの両輪を意識しながら進めていきます」