捨てられる運命の化粧品、もったいなくないですか。

ドラッグストアなど販売されている化粧品は、店頭で品揃えが変更されたり、通常販売の時期が終了したりすると、メーカーに返品されます。
返品された商品は、未開封であっても品質に問題がなかったとしても、多くは廃棄処分となってしまっていました。
こうした捨てられる運命だった商品を、アウトレットで再販売しているのが「Go Ethical(Go エシカル)」というサイトです。
返品された商品は、メーカーによる検品を経て、販売基準に適しているもののみ、おおむね元の価格より30%以上安く販売されています。

「Go Ethical Beauty」は、オフィス用品販売のアスクルが運営するネット通販サービス「LOHACO(ロハコ)」が2019年11月にスタート。
2020年12月現在で、参加しているのは、L’ORÉAL JAPAN(日本ロレアル)、FANCL(ファンケル)、ロート製薬、ORBIS(オルビス)の4ブランド。いずれのメーカーも、返品された商品を独自の基準で検品したうえで、再販売しています。
メーカーが検品して再販売

このうちロート製薬では、新商品やリニューアル品を発売するたび、販売が終了した旧品が店舗から返品されるため、廃棄ロスが課題となっていました。
廃棄ロスを削減するという「Go Ethical」の理念に共感し、2020年7月に参画。使用に影響のない範囲での再販売基準を独自に策定し、検品して基準を満たした商品のみを、数量限定で販売しています。
2020年8月にスキンケアの主力アイテムである「肌ラボ」極潤プレミアムシリーズがリニューアルしたため、「Go Ethical」では現在、その旧品を中心としたラインナップとなっています。
「全国でも販売店舗数の多いブランドだからこそ、廃棄ロス削減に大きく貢献できると考えます」としています。
化粧品を買うときに考えたいこと

「Go Ethical」の担当者によると、参画するメーカーや商品のラインナップが増えたことで、2019年11月からサイトでの売り上げは約5倍に。メーカーの協力があってこそ実現した取り組みだと強調します。
「これまでも、『LOHACO OUTLET(ロハコ アウトレット)』で生産余剰品などを安く販売してきましたが、それでも流通させられなかったのが、店頭から返品された商品でした。検品作業などの工程を踏まなければメーカーとして安全性の担保がしづらいということで、コストがかかるため難しかったのです」
「通常のアウトレットではなく、廃棄ロスを減らすことを目的とした取り組みにしたことで、商品の廃棄を課題だと思っていたメーカーの協力を得ることができました。お客様の意識も高まっており、環境に配慮するということを、化粧品を買うときの選択肢の一つにしてもらえるといいと思います」
現在は化粧品のみの再販売ですが、今後は化粧品のラインナップをより充実させたうえで、ほかの商品についても検討するとのことです。
サムネイル:Getty Images