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Updated on 2020年6月5日. Posted on 2020年6月1日

甲子園が中止、夏休みを短縮する学校も。部活動はどうなる?

休校に伴い、停止や自粛となっていた部活動。もともと、長い活動時間による生徒の健康への影響や、教員の長時間労働の問題が指摘されていました。

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、日本高等学校野球連盟は、夏の甲子園の中止を発表した。

すでに全国高等学校総合体育大会(インターハイ)や、全国吹奏楽コンクール、全日本合唱コンクールなど文化系の全国大会も軒並み中止となり、多くの部活動は「頂点」という目標を奪われた形だ。

今後、部活動はどうなっていくのかと心配する声もある。BuzzFeed Newsは、名古屋大学大学院准教授(教育社会学)の内田良さんに聞いた(取材は5月26日)。

休校中の部活動は「自粛」

時事通信

高野連が甲子園の中止を発表した5月20日、練習する聖光学院の選手。

学習指導要領によると、部活動は「生徒の自主的・自発的な参加により」、「学校教育の一環として」、実施される。

このため文部科学省は、休校中の部活動は「自粛すべき」としている。

日本高野連などは地方大会の中止理由について会見で、部活動の停止を余儀なくされている学校もあること、十分な練習量を確保していない中での試合はけがのリスクが高まること、夏休みを短縮して授業時間の確保を考える学校があり、学業に支障をきたす恐れもあることなどを挙げた。

肥大化させた大人の責任

BuzzFeed

うちだ・りょう / 名古屋大学大学院教育発達科学研究科准教授。組体操や柔道を含むスポーツ事故、いじめや不登校、部活動顧問の負担など、子どもや教員の安全・安心について研究。ウェブサイト「学校リスク研究所」を運営。共著『ポスト・コロナショックの学校で教師が考えておきたいこと』(東洋館出版社)が近く出版

「全国大会という夢を絶たれた子どもたちは、本当にかわいそうです。ただ、そこまで夢を肥大化させてしまった大人の責任こそ、問われるべきではないでしょうか」

部活動の問題について研究している内田さんはそう語る。

部活動については、教員の長時間労働につながるほか、競技経験のない教員が担当している、適切な休養日が設定されていない、などの問題が指摘されており、スポーツ庁は2018年3月、「運動部の在り方に関する総合的なガイドライン」を策定していた。

「生徒の自主的・自発的な活動であるはずの部活動は、どんどん過熱してしまっていました。休校などの影響で部活動のあり方の見直しが迫られている今、改めて『学校教育の付加的な活動』という原点に戻って考える必要があります」

「やり方」の見直しを

内田さんは、部活動をやるかやらないかの1か0ではなく、「やり方」の見直しを提案する。

「授業時間の確保という課題がある中で、部活動は、限られた時間でどのように楽しむかを基準に設計し直すのがよいと思います」

スポーツ庁のガイドラインでは、運動部の「適切な休養日」の基準を以下のように挙げている。

学期中は、週あたり2日以上の休養日を設ける(平日は少なくとも1日、週末は少なくとも1日以上を休養日とする)


1日の活動時間は、長くとも平日では2時間程度、学校の休業日は3時間程度とし、できるだけ短時間に、合理的でかつ効率的・効果的な活動を行う。

文化部についても、文化庁のガイドラインに同様の休養日の基準が記されている。

内田さんは、まずは休養日を設定したうえで、部活動の目的、あり方を再検討するよう提案する。

「例えば、全国大会に出場する学校の間で、週3日の練習にするという約束をつくるなど、さまざまな工夫ができるでしょう」

「身体的・時間的な負荷がかからず、生徒の自主性を尊重するような、新しい部活動の形を模索するチャンスともいえます」

「教員の過度な負担とならないよう」

スポーツ庁「運動部活動の現状について」 / Via mext.go.jp

担当教科が保健体育ではなく、かつ、担当部活動の競技の経験がない教員の割合は、中学校で45.9%、高校で40.9%いた(2016年)

文部科学省が学校再開に伴い、各都道府県の教育委員会に通知した「教育活動等の実施に関するQ&A」では、スポーツ庁政策課が部活動についてこのような見解を示している。

部活動に関する業務は、従来から、教師の長時間勤務の主な要因の一つであるとの意見があることや、感染拡大防止の観点から、従来よりもきめ細かい部活動の管理が教師に求められることを十分に考慮し、


学校の管理職においては、ガイドラインに準拠した活動時間や週休日を設定したり、部活動に係る校務分掌において教師の業務量や意向を踏まえた配慮を行うなど、部活動が教師に過度な負担とならないよう十分な配慮をお願いします。


Contact Akiko Kobayashi at akiko.kobayashi@buzzfeed.com.

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