突然ですが、この動物が何かわかりますか?

正解は、ワオキツネザルです!
小さい頃、動物図鑑を見て過ごしていた人ならすぐにこの動物!とわかる方もいるかもしれませんが、IUCN(国際自然保護連合)によって、絶滅危惧種に指定されているこの動物について、またその動物の環境についてどのくらいご存知でしょうか?
このワオキツネザルが絶滅の危機に瀕しているという事実に衝撃を受け、少しでも多くの人に環境問題に興味を持ってもらうようにと情報発信している、WoWキツネザルさんというエンターテイナーがいるんです。
自らワオキツネザルになって環境について語る

駐日マダガスカル大使館パートナーキャラクターとしてイベントの司会やYouTuberとして活躍されているWoWキツネザルさん。MC あまりとして司会をするという別の顔も持っている、ダブルフェイスMCとして活躍されています。
この奇抜な格好をしたWoWキツネザルさんに、大好きな動物の話、環境問題に興味を持ったきっかけをお聞きしました。
ーー色々な動物がいる中で、なぜワオキツネザルなんでしょうか?
「僕、富山出身なんですけど、小さい頃に近所の動物園によく祖母に連れて行ってもらって。ある時にすごい大きなオリを作ったんですね。そこに特別展示の動物が来るって言われて、来たのが『キンシコウ』っていうお猿さんだったんですよ。体が金色の毛に覆われていてゴールデン・マンキーと呼ばれ、孫悟空のモチーフになったお猿さんなんです。僕の何冊もあった図鑑に載ってない猿だったんです。そこで衝撃を受けたんです。『世界には僕の知らないこういった動物がいっぱいいるんだ』と」
「小さい頃、動物図鑑に感動して、その動物達を実際に見られる動物園っていうのは夢のテーマパークだったんです」

図鑑に載っていない動物との出会いを超す動物と出会い
「その何カ月か後に入ってきたのがワオキツネザルだったんです。でも、ワオキツネザルってめちゃくちゃ有名なお猿さんだから僕、知っていたんですよ。僕の持っている図鑑には絶対載っていたし、『あーワオキツネザルが来るんだってー。ふーん』ぐらいで思っていて、でも生で見るのは初めてだったんで、またいつものように祖母に連れられていった時に、初めてみたワオキツネザルが衝撃的だったんですよ」
「見た目は顔は狐で体はお猿さん。顔のカラーリングはガイコツなんですよ。しっぽが体より長くてシマシマでワオキツネザルっていう名前で、更に言うと、マダガスカルってどこ?みたいな。もう個性のオンパレードで僕の頭の中にあったキンシコウをすかーん!って抜いてワオキツネザルが単独首位に躍り出たっていうか、そこからワオキツネザルがすごく好きなんですよ」
小さい頃から大好きだった動物は大人になっても変わらず、自分のバンドの紹介をするキャラクターとして生まれた「WoWキツネザル」が、バンド解散後も自分のキャラクターとして残り、ワオキツネザルについて、更に深く追求するようになる。
マダガスカルでの体験

駐日マダガスカル大使館パートナーキャラクターとして、マダガスカルの魅力を発信していったWoWキツネザルさん。2017年に初めて訪れたマダガスカルで体験したのは、大好きな動物に会えたという喜びよりも、その動物達が絶滅の危機に瀕しているという事実でした。
マダガスカルには絶滅の危機に瀕している動物が多く、様々な種類のキツネザルなどは守られた区域の中で育っています。本当なら島の色々なところで出会えたはずの動物も、農地などにするために人間の手によって放たれた火が原因の山火事などによって、住む場所から追いやられてしまっています。
「こんな素敵な動物たちが、何で当たり前に生きることができないんだろうというのと、それに対して僕は何もできていないっていう不甲斐なさや悔しさでもう涙が止まらなくて」
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クラウドファンディングで実現したマダガスカルへの旅のドキュメンタリーはYouTubeで見ることができる。
ーーマダガスカルという国に行かれて意識がかわったことはありますか?
「なんとかこの現状を変えたいと思って、日本に帰ってきてから環境に関するさまざまなイベントや動物園でイベントをやらせていただいたんですけど、やっぱりもともと環境問題に関心のある人しか参加しない。それは、自分がそれまで関心のない側にいたから、分かるんですよね。
その時に思ったのは、『関心のある行動してる人』と『関心がなくて何も行動してない人』の隙間がすごく開いていて、ここを埋める何かがないと思ったんですよ。絶望した瞬間にこう一筋の光明が見えて、それがワオキツネザルじゃないか、MC WoWキツネザルとしてエンターテイメントを提供することがそこにハマるんじゃないか、と思ったんですよ」
「そこで僕が作ったミッションは、"エンターテイメントで地球を救う"。エンターテイメントは社会課題を自分ごと化するのに、強い力を持っているなと感じ、MCとしての活動をエンターテイナーに広げたいと思ったんですね。最近はさらに、環境xエンターテイナーで、エンバイロメンターテイナーっていうのもやろうと思っていまして」
「人は知識じゃなくて、体験で変われる」

環境問題に関心のない人に来てもらうイベントを仲間と考え、作り出したのが絶滅体験レストランでした。
「このままだとやってくるかもしれないもう一つの未来っていうテーマで、食事とショーと展示を用いたまさに五感で体験するフード体験エンターテイメントショーです」
「みなさん、メディアとかSNSとかで、今、生物多様性の喪失がやばいとか、環境問題がやばいことになってることを知ってはいるけど、生活態度は変わらない。僕はマダガスカルで、環境問題を体験したことで変われた。『人は知識じゃなくて、体験で変われる』って思ったから、『絶滅体験レストラン』をやってみたいと思ったんですね。絶滅という人類にとって最も遠いものと、身近なレストランをクロスオーバーすることによって、環境問題を自分ごと化できる人をひとりでも増やせるんじゃないかと思っています」
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ーー動物や環境問題について、なぜみんなそこまで考えられていないんだと思いますか?
「単純に人間が自然の中で生きているっていう実感がもてないから」
「例えば、みんな生態系を感じないって言いますけど、これ(テーブルを指して)ももとは生き物です。これも生き物ですって考えていくと、これもコンクリートだってもとは石灰石で、もっともっと先に進むと生物由来。みんなが好きな音楽、楽器だって動物からできてるし、本だって紙もそうだし、インクも石炭から作ってるんですね。石炭って元を辿れば、昔の生き物たちが固まってできたものですから」

「自分ごと化できないのは自分が体験してないか、それを認識してないんですよ。だって体験してますもん、僕らは。台風で。猛暑で。暖冬で。でもそれが、わかってないんですよね。人の習性で自分に都合の悪いことは耳を塞いでしまう、その塞いでいる耳を、鼓膜直撃するような、そんなもの作りたいなと思いますね」
YouTubeでこの動画を見る
YouTubeの動画では生物多様性・生態系がどのように人間に関係あるのかをていねいに説明している。
ーーメッセージを発信したり、行動をするのって、環境や動物のためだと思うんですけど、もし実際に世界中のみんなが変わって、行動をし始めた時に、どんな世界が待っているかと思いますか?
「僕が目指すのは、自然と人が共存と共生ができる世界。一緒に暮らすことができて、でも境がないというか」
「『都会に住んでると動物園に行かないとみれないんだって』とかよりも、当たり前に動物たちと一緒に共存できる社会になってるんじゃないかなと」
目指すのは、「僕が小さい時に読んでた動物図鑑よりも、いっぱい動物が載ってる動物図鑑を子どもに渡してあげられる世界」

「自分が親になったときとか、おじいちゃんになった時に、動物図鑑って素敵だよねーって子どもと一緒にキャッキャしたいんですよね。」
『えー!こんなすごい色のカエルいるんだねー!』
『お父さん、このカメレオンみたことあるよ!』
『え、一緒にみたーい!』
「それがもう見ることができない動物だったら、もうめちゃくちゃ悲しいなって想像つくんですよね。昔はいたんだぞーみたいな。シマウマなんてこんな派手な生き物いきてるわけないじゃんみたいな。そうでない世界を目指したいですね」
そんなWoWキツネザルさんは、MC あまりさんとしてBuzzFeed Japanのオンラインイベント「未来をつくる仕事のこと 〜就活で聞けないリアル〜」にファシリテーターとして出演されます!


BuzzFeed Japanは2020年3月24日(火)〜3月29日(日)、オンラインイベント「未来をつくる仕事のこと 〜就活で聞けないリアル〜」を開催します。
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