「おうちでも、ライブはできます」アイドルも在宅勤務!?まさかの「リモートライブ」を開催したグループが話題に

    「今までで一番大変だったライブは何ですか?って聞かれたら、即答で『リモートライブ!!!』ですね」

    アイドルグループ「lyrical school(リリカルスクール)」が行った、「リモートフリーライブ」がファンの間で話題になっています。

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    新型コロナウイルスの影響により、ライブなどの音楽イベントが軒並み中止・延期となった中、ヒップホップアイドルユニットの「lyrical school (リリカルスクール)」は、なんとリモートでライブを開催したんです!

    5人それぞれが自宅で撮影をし、その映像を組み合わせて出来た40分の「リモートライブ」は、ミュージックビデオでもなければ実際のライブとも違う…。今までに見たことのない魅力があります。


    十分な準備期間や機材もない中、lyrical schoolはどのようにこのリモートライブを成功させたのでしょうか。


    lyrical schoolのメンバー5人、そしてプロデューサーのキムヤスヒロさんに話を伺いました。

    ーーこの「リモートライブ」が企画されたのはいつ頃だったのでしょうか。


    キムヤスヒロさん(以下、キム):4月の頭、1日か2日頃です。


    先日、4月22日にリリースした新EP「OK!!!!!」のリリースイベントを目前にして、メンバーのパフォーマンスが仕上がってきていたタイミングでした。


    せっかく熱が上がってきたのに、ファンの方々に見てもらえないというのはもったいないという気持ちになりまして、今回の「リモートライブ」の企画を提案しました。


    ーーリモートライブのvol1が公開されたのは4月10日です。1日に企画を出したということは、約10日間で制作をしたということでしょうか。


    キム:そうです。企画を出して3日後くらいにはメンバーが撮影に取り掛かっていました。


    撮影翌日にはメンバーから映像を受け取り、そこから編集をして仕上げ、公開にいたりました。


    ーーこの企画にはどんな思いで取り組みましたか?


    hinakoさん(以下、hinako):新型コロナウイルスの影響で、出演する予定だったイベントが全て延期や中止になってしまったんです。本来なら皆さんに笑顔や元気をお届けできたはずなのに…と、とても悔しい気持ちでした。


    そのため、リモートライブという形でファンの皆さんに音楽を届けて、少しでも元気になってもらいたい、会えない時こそ頑張ろうという気持ちを込めて行っています。


    minanさん(以下、minan):実は、私たちは過去に何度も「普段通りのライブができない」という状況を経験していていたんです。その度に、その時に出来る最善の方法でライブを届けてきました。


    今の状況は過去一で厳しいですが、その中でできるベストのライブがこの形でした。


    ーー遠隔でライブを仕上げるなんて、想像もできません。企画を聞いたとき、どう思いましたか?


    yuuさん(以下、yuu):正直、最初はどうなるんだろう…って思いましたね。お家でひとり、カメラの前で歌って踊るのか!っていう。映画とかで主人公が嬉しくなって部屋で踊ったりするシーンがよくありますが、あんな風に自分が映るかなあとドキドキでした。


    risanoさん(以下、risano):私はライブが大好きなので、「キターーーー!」とお家で飛び上がっていました!


    メンバーそれぞれがおうちで撮ってきたものを合わせて、それが一つのライブ映像になるなんて、楽しみでしょうがなかったです。

    ーーリアルで行うライブと比べて、どんなことが大変でしたか?


    キム:今回は制作側よりも、メンバーに掛かる負担がすごく大きかったと思います。普段はパフォーマンスだけに集中ができますが、今回のような場合は彼女たちがカメラマン、演出、監督など…すべての役割をしなければなりませんから。


    himeさん(以下、hime):隣にみんながいないので、いつもの調子を出すのに苦戦しました。


    risano:撮影では、メンバーの声が入っていないインスト音源を使ったので、難しくてミスの連発でした。間違えたら初めからやり直しですし。


    インタビューで、今までで一番大変だったライブは何ですか?って聞かれたら、即答で「リモートライブ!!!」ですね。


    minan:家の中で声を張って歌うのは難しく、私は車内で撮影をしました。なので、思うように動けなかったのが大変でしたね。


    ただ、普段の対面のライブとは違う見せ方をしたいと思っていたので、逆に限られた中でのパフォーマンスはリモートライブならではのものになったと感じます。

    ーー実際に公開された映像を見て、いかがでしたか。


    minan:打ち合わせを一切していない中、曲間のMCで発言のタイミングが被らなかったり、圧を強める瞬間が同じだったりと、一つのライブとしてしっかり成り立っていたことにびっくりしました。


    今まで何百本もライブを重ねてきたこの5人だからこそできたことなのかもしれません。


    hinako:撮影しているときは、仕上がりがどんなものになるのか想像もできず、大丈夫かな?どんな感じになるのかな?と不安でした。


    しかし、完成したリモートライブは予想以上にライブとして成り立っていて、むしろいつものライブと同じくらいの空気感が出せていて驚きました。率直に嬉しかったです。


    ファンの皆さんにも喜んでいただき、こんなにも画面を通じて楽しんでくれる皆さんがいるなら、苦戦したリモートライブの撮影も頑張ろうと思えました。

    リリスクのリモートライブ1日2回は観てます

    リモートライブ非常に楽しい40分間だった。リリスク良すぎる…。

    ーーhimeさんの「マジ悪夢みたい 布マスク二枚」というリリックを入れたラップがファンの間で話題になっていましたよね。

    自宅待機 自宅待機 やることない 磨いとくNIKE みんなに会えない 週末つまんない マジ悪夢みたい 布マスク二枚😷😷

    Twitter: @hime_514

    hime:あのラップには「みんなに会えない週末って悪夢みたいだなー、早くライブしたいなー」という思いだけが込もっています。


    特に作ろうと思って作ったわけではなく、適当にフリースタイルをしていた中で生まれたものを曲に入れました。

    ーー今まで特典会などでファンとのリアルな交流を大切にされてきたみなさん。今回リモートライブをやってみて、どのような良さがありましたか?


    hinako:いろんな見方ができるところだと思います。


    普段のライブだと、5人を同時に見ることはできないじゃないですか。「この子、面白い動きをしてたのに見逃した…」ってなっちゃいますが、このリモートライブだと、一人一人を見れるんです!


    5人全員をまとめて見るもよし、誰か1人に注目して見るもよし。いろんな楽しみ方ができるので、5人の個性をさらに知ってもらえる機会になると思います!


    yuu:あとはリモートライブをしたことで、わたしたちのことを知らなかった方にも届けられたのではないかと思います。たまたま動画を見てくださった方が、「lyrical schoolの楽曲いいじゃん!」って、好きになるきっかけになってくれたら嬉しいです。

    ーーこのリモートライブは、画面上なのにも関わらず、本当にライブを見ているような感覚になりました!制作する上で大事にしたことなどあれば教えて下さい。


    キム:なんと言っても、メンバーによるパフォーマンスのクオリティが一番いい形で出せるような動画の作りを心がけることです。


    特にlyrical schoolはライブを武器に戦っているので、それをファンが存分に楽しめるよう、リモートライブはなるべくシンプルにしました。


    あとは「時間の共有」も大事な要素になると思います。リモートライブは合計で2回行ったのですが、2回目は通常のライブと同様、スタートの時間を告知してからYouTube上でライブ配信をしました。リアルタイムでファンとメンバーがコメントで交流できる場が生まれて、かなり面白かったです。


    基本的に大事にしているポイントは、普段のライブパフォーマンスと変わりありません。こちらがなにか技術を用いてギャップを埋めるというよりは、ファンと一緒に楽しみ方を見つけていけたらいいんじゃないかと思います。


    実際、ここまでファンの方に喜んでいただけたのはそういう根本的なことを大事にしたからだと感じています。この企画自体は、それほど画期的というわけではありませんから。


    ーーすごく新しい方法だと思いましたが、そうは考えていないんですか?


    キム:はい。自分たちがやったことはすごくシンプルです。もしリモートのギミックの部分に制作の重心を置いていたら、ライブの内容が疎かになっていたかもしれません。


    一番大切なのはちゃんとファンに届けて、喜んでもらうこと。技術面のすごさや面白味にこだわって、そこだけが注目されても嬉しいことでは無いですから。

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    ーー次はどのような「リモートイベント」を開催したいですか?


    hime:特には思いつきませんが、ファンの方々が「やって欲しい!」と言うことは全部やりたいです!


    yuu:リモートライブは今後も続けて、私たちの姿を新しい形で発信できたらとは思っています。また、せっかくなのでいろんなことに挑戦したり、メンバーのパーソナルな部分を発信したりするのもやっていきたいです。


    ネット上で世界中の方に発信できるこの機会だからこそ、lyrical schoolのいろんな姿を見てほしいですね。