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「食べられる宝石箱じゃん」岩手県・宮古市の名産『瓶ドン』が贅沢すぎ。旨みがパンパンに詰まってる…!

全国各地のグルメな情報を届ける特集「全国のおいしい!」今回は全国レベルで注目を集めている「瓶ドン」をご紹介します。

生ウニを海水とともに牛乳瓶に詰め、新鮮な状態で市場に売り出す「瓶ウニ」。

ウニがぎゅうぎゅうに詰められた牛乳瓶が並ぶのはなんとも贅沢で珍しい光景だが、海産物が豊富に採れる三陸では当たり前だという。

しかし、この「瓶ウニ」から着想を得て誕生したとある商品が全国レベルで大ヒット。地域の知名度向上に大きく貢献した特産品がある。

それがこの「瓶ドン」だ。

岩手県・宮古市にて生み出された「瓶ドン」は、ウニだけではなく地元で採れる様々な海産物が詰められている。色とりどりでつややかな見た目は、まるで小さな宝石箱のようだ。

発売されたのは2018年の10月。当時は宮古市内の限られた飲食店でしか食べられなかったが、2020年にはコロナ禍が後押しとなり、全国への通販を開始した。

わずか3年の間で、「瓶ドン」はどのようにヒットを遂げたのか。開発・発売にたずさわった宮古観光文化交流協会の金澤さんにお話を伺った。

「違った角度からの視点」がきっかけに


ーー「瓶ドン」が生まれた背景を教えて下さい。

金澤さん(以下、金澤):宮古市はおいしい海産物がたくさんあるのに、これといった名物とか、特産品がないため、観光でいらっしゃる方が宮古市を選ぶ理由に乏しいのではないかということが、協会内でも共通の課題としてありました。

今まで「宮古丼」「宮古寿司」など売り出したことはあったんですが、いまいち特徴がなく、浸透しなかったんです。

「宮古といえば?」と聞かれても自信を持って「これ」って答えられるものがありませんでした。

そんな課題を抱えていたとき、とある職員が全国放送のテレビで瓶ウニが紹介されているのを見て、「これだ!」とひらめいたんです。


正直、それまで瓶ウニは地元の人たちにとって当たり前すぎる存在で、特徴的だと感じたことはありませんでした。しかし、他の地域の方から見ると珍しいものなんだなと。新たな発見でしたね。

ーー「地元民以外の着眼点」がきっかけになったんですね。

金澤:はい。そうして企画の立案が2018年の4月にされて、私は6月から開発に参加しました。

スタートを2018年10月までにと決めていたので、約半年で企画の立ち上げから発売に至りましたね。

当初の反応はそこそこ。だんだんと「宮古の名物」として浸透するように


ーー金澤さんは具体的にどんなことをされていたんですか?


金澤:

企画に参加してくれる飲食店探しや、交渉をしていました。

当初は6店舗ほどがOKを出してくれて、8月からは各々の店で出す瓶ドンのメニューを考え始めましたね。

ーー飲食店の方々は、企画を聞いたときどんな反応だったんでしょうか。

金澤:昔からの同級生や、知り合いのお店にお願いをしたりだったので、どちらかというと最初は付き合いでやってくれていたかもしれません。面白そうだねとはいわれるものの、メニュー開発では皆さんかなり悩んでいました。

牛乳瓶から具材が上手く出ないとか、試行錯誤が続きましたので、試食会で6店舗の瓶ドンが完成して多くの方にお披露目できたときは本当にうれしかったですね。

ーー2018年10月から発売を開始されたとのことですが、売り上げはいかがでしたか?

金澤:半年間での目標を7000食と決めていたんですが、売れたのは4400食でした。1日5食出ればいいなと思ってざっくり高めに設定したんですが、結果はそれなりかなという印象でした。期待していたよりは伸びませんでしたね。

ーー最初はあまり目立った存在ではなかったんですね。

金澤:メディアなどに取り上げられるようになってから、徐々に知られていきました。地域のテレビ番組などでご紹介いただいたことにより、地元の方々に「宮古の名物」として認識され始めて。

遠方からや観光で来た方に対して「瓶ドン食べていきなよ」とおすすめしてくれるようになったんです。

ーーそこからどんどん広がっていったと。

金澤:現在は宮古市内10店舗で「瓶ドン」を提供してもらっています。

お店によって瓶の中身が全然違うのもポイントですね。

金澤:一番人気は初期メンバーでもある「魚彩亭 すみよし」の「RED HOT」です。

かなりボリュームたっぷりで豪華なんですが、値段が1650円とものすごくリーズナブルなんです。普通のお店で値段をつけたら2500円ほどになると思うんですが…無理しすぎじゃないかと心配になります(笑)


コロナ禍に後押しされ通販を開始。認知度は全国レベルへ


ーー「宮古でしか食べられない」がウリだった瓶ドン。コロナ禍と言えど、全国へ通販を始めるのは葛藤があったのではないでしょうか。

金澤:葛藤はありました。


コロナ禍以前から、通販に関するお客様からの要望は高かったんです。

でも、瓶ドンは地元の飲食店の方々あってこそ。通販で買えるなら、宮古を訪れなくても完結してしまう状態になるのはどうなんだろうと悩みました。

ですが、状況が状況になり、お客様がそもそも宮古に足を運べないのであればやるしかないと決心しました。

ーーそんな想いがあったんですね。通販がきっかけでかなり認知度がアップしたように感じます。

金澤:はい。全国のテレビ番組で取り上げていただいたり、SNSで瓶ドンをご紹介いただいた投稿がバズったりとかなりの反響がありました。


「一番おいしいもの」をお客様に届けたい


ーー実際に食べた方からは、どんな反応がありましたか?

金澤:今はご満足いただいている声が多いですが、当初は「思っていたより瓶が小さかった」など、量と値段についてのネガティブなご意見もありました。

大きい瓶で出そうかと考えたこともあったんですが、余ってしまう可能性があると思いやめました。なまものなので、一回で食べきっていただかないといけないですから。


ーー買った人が一番美味しい状態で食べられる量ということですよね。

金澤:そうですね。もし瓶ドンだけで足りないと感じるお客様は、スーパーで買ったお刺身などをプラスして、オリジナルの海鮮丼をつくっていただくのもオススメしています。

あとは、「メカブが多い」という意見もありまして…

ーーかさ増しで使っているんじゃないか、みたいな?

金澤:メカブは多くの瓶ドンに入っているので、確かに飽きを感じることもあるかとは思いますが、宮古の自慢の食材だと思って入れているんです。何より、見た目のアクセントにもなりますし。

安いものを出そうと思えば、できないことはありません。ですが宮古産や三陸産にこだわって、この地域の本当においしいものを食べていただきたい想いで「瓶ドン」をつくっているので。

値段や量に関してはご理解いただければなと思っています。


ーー金澤さんイチオシの瓶ドンがあれば教えて下さい。

金澤:「宮古トラウトサーモン」を使った瓶ドンです。


金澤:三陸や宮古の人にとって、今まで生のサーモンは馴染みがありませんでした。サーモンと言われる魚種がないので、食べる機会がほとんどなかったんですよ。

ーー鮭とサーモンはまた違うんでしょうか?

金澤:はい。鮭は採れるんですが、菌などがある関係で生では食べられないんです。

それを自分たちで養殖するようになり、生で食べても大丈夫な魚種が採れるようになりました。地元の人にとっても新しく、ありがたいことなんです。

脂乗りが良くてすごく美味しいので、ぜひ食べていただきたいですね。


観光客が戻ってくる日を願って


ーー通販で買える瓶ドンでもすごく美味しいですが、こだわりの宮古食材を使っていると伺うと、やはりいつか現地の飲食店で食べてみたくなります。

金澤:そうですね。お店によって食材も見た目も個性があるので、その違いをぜひ楽しんでいただきたいと思います。

瓶ドンって、本当に手間暇がかかる商品で。断面までこだわっているから、ひと瓶詰めるのにも結構時間がかかるんです。1日がかりでつくっても、できるのは30〜50本程度。つくり置きもできないですし。

また、各飲食店には固定した金額でお願いしているので、時価での価格設定もできません。

いろんな制約がある中で本当に頑張っていただいているなと感じています。

現在は通販が主になっていますが、この状況が落ち着いたらたくさんの方に宮古を訪れていただき、瓶ドンをはじめ三陸の、宮古の美味しいものを食べていただき、宮古のファンになってもらえると嬉しいです。

瓶ドンはYahoo!ショッピング内の「三陸・岩手の商品ならかけあしの会」にて購入できます。



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