まとめ界で速報を出し続ける「キタキタ親父」を知っていますか?

    どんな人なんだろう。

    あの巨大サイトでひときわ輝く存在

    2009年に誕生し、現在も成長し続ける巨大メディア「NAVERまとめ」。今や知らない人はいないと言えるほどの人気サイトである。

    誰でも“まとめ記事”を作成できるのがこのサイトの特徴だ。日本にキュレーションメディアの一大ブームをもたらした。


    「キタキタ親父」を知っていますか?

    NAVERまとめのなかでも有名なのが「キタキタ親父」と名乗るユーザー。情報をまとめるスピードが速く、一部で話題になっている。

    あーもうまとめできてる… またキタキタ親父かよ。この人いつも旬のネタのまとめ早いよね…便利だけどもにゃる…

    とにかくまとめ作成が早い。事件や事故が起きたら、即座に関連ツイートを収集してまとめ記事を公開し、ソーシャルメディア上で瞬く間に拡散される。

    作成したまとめの数は5月30日時点で9947本、月間ページビューは679万PVにものぼる。


    ご覧のようにメインで扱うのは事件・事故の速報だ。ユーザーページにはこのようなまとめタイトルがずらりと並ぶ。

    【現場情報まとめ】千歳線 島松駅で人身事故「飛び込んだお客様がバラバラの模様」

    【現場画像まとめ】東急田園都市線 溝の口駅付近で火事騒ぎ 5月29日【火災】

    【現場情報まとめ】東武伊勢崎線 竹ノ塚駅の踏切で人身事故「特急りょうもうが事故」

    【現場画像】伊豆箱根鉄道駿豆線「ラブライブサンシャイン」ラッピング電車に軽トラが衝突事故

    【現場画像まとめ】山形県山形市幸町 JR山形駅付近で火事 5月29日【火災】

    先日のシンガーソングライター刺傷事件でも、産経新聞と“キタキタ親父”がいち早く記事を公開

    5月21日、東京都小金井市でシンガーソングライターとして活動する冨田真由さんが男に刃物で刺される事件が発生した。

    FNNの報道によれば、17時5分に冨田さんの通報が警視庁の通信指令本部につながった。その後、17時12分に警察官が現場に到着したという。

    そして産経ニュースとほぼ同時に一報を出したのが、キタキタ親父だった。

    NAVERまとめには公開日か更新日しか表示されないため、最初に投稿された時間は不明だが、このまとめのURLを最初につぶやいたツイートがこちら。

    【現場画像】小金井市本町シャトー小金井で人が刺される事件 警察が一部封鎖 武蔵小金井 5月21日 - NAVER まとめ https://t.co/kIsk1PdtV4

    投稿時間は20時22分とある。つまり、遅くとも20時22分にはこのページが公開されていたということである。

    日経新聞が21時10分、毎日新聞が21時13分に一報を出しているのを見れば、キタキタ親父のまとめ作成スピードがいかに早いかがわかるだろう。


    さらに衝撃的なのは、ほぼ同時に別のまとめも作成されていたこと

    20時41分にはすでに別のまとめが公開されていたことが、このツイートから見てとれる。その間、なんと約19分。今度は長野県松本市の火災についてのまとめ記事だ。

    【現場画像まとめ】長野県松本市巾上 JR松本駅西口付近で火事 5月21日【火災】 - NAVER まとめ https://t.co/2WmMTAthUT

    さらに、20時50分にはもう1本別のまとめも公開されている。こちらは高田馬場で発生した火事について報じたものだ。

    【現場画像まとめ】東京 高田馬場 早稲田通りで大きい火事 5月21日【火災】 - NAVER まとめ https://t.co/Pqx0dd5GPj

    次から次へ速報を出しまくる。


    キタキタ親父とは、一体何者なのか。

    事件・事故のニュースに関するNAVERまとめを見たら、またキタキタ親父だった――。一部では以前から話題の存在だった。そのスピードは誰もが認めるところ。

    キタキタ親父(NAVERのニュースまとめの人)何時に寝てるんだよ!

    何かが炎上したりトレンドに入るようなことがあるとNaverまとめがまわってくるけど、大体のまとめの作成主が「キタキタ親父」さんで、キタキタ親父はずいぶん儲かってるんだろうなあ…と思っている

    その正体については、さまざまな憶測が飛び交う。

    キタキタ親父こんな時間にNAVERまとめ更新しててニートなのではと思っている

    新聞やテレビは警察や消防からいち早く情報を得ており、それより早くまとめを作るには、何らか特別な手法が必要だ。

    事件や事故に関するツイートを自動で収集するツールを使い、グループでまとめを作っている可能性も考えられる。

    ある記者は、キタキタ親父の情報収集が「あまりにも速すぎる」と舌を巻く。「NHKなど事件・事故情報を全国的に収集している組織の人間が関与しているとしか思えないほどのスピードです」。

    情報収集の段階で一般人とまったく違う方法をとっているのではないかと語っていた。

    俄然、興味がわいてくるその存在

    上でも紹介したTwitterアカウント「災害火災画像速報ニュース」はキタキタ親父が作成したまとめをいつも最初にツイートしている。


    全国のあらゆる事件や事故の情報が飛び込んでくる。

    一体、どれくらいの収入を得ているのだろうか?

    NAVERまとめは誰でも作成できる。そして、作成したまとめのアクセス数などに応じて金銭が得られる仕組みだ。

    LINEは2014年にNAVERまとめユーザーが受け取った金額について発表している。それによれば上位10名の平均額は約570万円となっている。

    これまでに1万本ものNAVERまとめを公開し、月間約700万PVを獲得するキタキタ親父の収入はいかほどか。

    NAVER事務局は先日、まとめ作成者の収入を左右する「インセンティブ制度」を一部変更すると告知した。

    インセンティブ算出ロジックを変更し、スマホからのアクセスを重視する方針だ。ニュースや芸能など最新情報を扱うまとめやSNSで話題になるまとめが評価され、より多くの金額が分配されるだろう。

    キタキタ親父の快進撃はしばらく続きそうだ。


    というわけで、BuzzFeed編集部はキタキタ親父さんを探しています。ご存知の方はjapan-info@buzzfeed.comへ情報提供をよろしくお願い致します!

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