なぜ今時のプリクラは盛りまくるのか? 10年開発を率いるプロに聞いた

もはや別人という声も

最近、数年ぶりにプリクラを撮りました。

Hikaru Yoza / BuzzFeed

噂には聞いてましたけど、すごすぎませんか。

恐ろしい勢いで進化を遂げるプリクラ。最近では

足が伸び


フリュー株式会社

目に追いかけられそうな写りを実現しています。いくら機器が進化したからって、これは流石にどうなの!?

プリクラ開発の第一人者降臨

Hikaru Yoza / BuzzFeed

というわけでプリントシール業界No.1のフリュー株式会社にやってきました。この方はプリントシール機事業部 企画部 部長の稲垣涼子さん。

稲垣さん入社時のプリクラ。日報でプリクラを撮る。 フリュー株式会社

2005年の入社時からひたすらプリクラのことを考え続け、年間9台の企画・開発を率いるプリクラの神みたいな人です。

研究として日々プリクラを撮影するという稲垣さん。膨大なシール量だ。 Hikaru Yoza / BuzzFeed Japan

どうして激しい加工になったのか聞く

——最近のプリクラ、盛りすぎじゃないですか?

会う人会う人に言われますね。目大きすぎませんか、足細すぎませんかは絶対言われます。

——プリクラ誕生時はこれでしたもん!

1996年、プリクラが誕生したころのシール フリュー株式会社

私もその世代なんでわかります(笑)でも、機械が進化したから加工が激しくなったわけじゃないんです。女子高生に毎週ヒアリングした情報をベースに、喜んでもらえそうな企画を考えて作ると、ああなるんです。

昨年11月機種「KATY」と新機種「HIKARI」の比較画像。 フリュー株式会社

——あれ? 若い子があの写りを求めているんですか?

はい。大人が変だと思っても、売上やデータを見るとデカ目で“盛れる”写りが確実に人気なんです。突然ですが、下のA・B・Cの写り

フリュー株式会社

どれが人気かわかりますか?

——全部一緒じゃないんですか…‥。

よく見てください、微妙に違いがあります

——Cだ! ふんわりしてる。

違います、正解は

Aです。

——全然わからないですねこれ。

そうなんです。大人はパッと見たら全部一緒に見えるし、しかもわからない。でも若い子が見たらAを指しますし、全然違うって言います。柔らかい感性で写りを見極めているんです。そうした子たちの声を毎週聞いて、機能やデザイン・写りを決めています。

昨年春発売のSugar femme フリュー株式会社

若い女の子が“盛り”を求める理由

——どうしてイマドキの女の子は“盛れる”写りが好きなんですか?

流行もありますが、そもそもプリのターゲットの中でも低年齢層である中高生って顔が出来上がってないんです。まだまだ成長途中で、メイクも毎日するわけじゃない。

だからプリを撮る時ぐらいは、好きなモデルや芸能人のような「憧れ」に近づきたいという願望があるんだと思います。

2014年夏モデルの「R」 フリュー株式会社

大人は顔も完成していて、自分の顔のイメージが固まっています。メイクもしてるし、だからこそプリで加工されることに違和感を持つんです。

——たしかに、メイクなんてしてなかった……。

プリでは落書きでリップやチークの色も選ぶことが出来ます。大人はなんてことない体験でも、若い子にとっては「真っ赤なリップ」を試すなんて一大事。いつもと違った自分になれる場なんです。

落書き中にリップの色を変えてみる様子 Hikaru Yoza / BuzzFeed

——と、いうことは違和感を感じた時点でプリクラの対象年齢ではないんですね。

おっしゃる通りです。私たちもわからないので、生の声を聞いて“いかに若い子の気持ちになるか”という努力を大事にしています。

プリクラ談義に花が咲きまくる取材の様子。左は稲垣さん、右は同社広報の白石夏海さん。 Hikaru Yoza / BuzzFeed

プリクラに突然変異が起きたのはなぜ?

——それにしても、突然進化しましたよね? 何が原因なんでしょうか?

そう! 昔と比べて変わりすぎも良く言われるんですが、実は短いスパンで見ると技術も写りも大きく変化したものはないんです。これは去年の夏モデルと春モデル。

フリュー株式会社

——目が大きく……なってますかね?

あまり違いはわからないですよね? でも5年前(2010年)といまを比べると

フリュー株式会社

——5年前ヤバすぎませんか! 黄色い!

髪の質感も、全部違いますよね。さらに2010年から5年間の変遷を見てみましょう。

フリュー株式会社

——あれ? じわじわ変化してる?

長い目で見ると変わってますが、隣同士はそこまで変化がない。大人が「変わった」と感じるのは、普段目にしない分、長いスパンでの変化を目の当たりにするからなんです。女の子は変化がないと飽きて離れていってしまうので、毎期少しずつ少しずつ変えています。

稲垣さん私物のプリクラ帳。1997年ごろのプリがびっしり。 フリュー株式会社

カメラアプリは敵?

——スマホのカメラアプリでの「自撮り」も大人気ですが、敵になりますか?

敵とは考えていないです。自撮りの文化が自然に根付いたのは、プリを撮る文化があったからこそだと感じています。

2010年夏の機種「7iRO Co.」。当時は“囲み目”全盛期! フリュー株式会社

プリは若い女の子たちの遊びの一つだったり、大人が「記念」として撮るような体験として、定着しています。そういう意味ではカメラアプリとは似ているように見えて、厳密には用途が違っています。

むちゃくちゃ盛り上がった新機種「HIKARI」での撮影風景。NON STYLEの井上裕介さんがポーズの指示をくれる。 Hikaru Yoza / BuzzFeed

また、カメラアプリは撮影するだけですが、プリ機はすっごく小さいテーマパークだと思ってるんですよ。狭いブースに入って、照明があって、いいカメラで撮るなんてテンションあがるじゃないですか(笑) カメラアプリではできない体験を提供していきたいですね。

訂正

フリュー株式会社より、数値や事実関係の訂正がありました。
-「1998年、プリクラが誕生した年のシール」を「1996年、プリクラが誕生したころのシール」に変更しました
-「女子中高生に毎週ヒアリングした情報」の「女子中高生」を「女子高生」に変更しました
-「プリのメインターゲット層である中高生」を「プリのターゲットの中でも低年齢層である中高生」に変更しました
-「稲垣さん私物のプリクラ帳」の年号を修正しました(1998→1997)


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バズフィード・ジャパン スタッフライター
 
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