4月8日、千葉県の幕張メッセで開催されたロックバンド「ONE OK ROCK」のコンサート会場で、体調不良を訴える観客が相次いだ。
美浜消防署によると、21人が過呼吸や熱中症の症状のほか、けがなどで病院に運ばれた。ライブ中の将棋倒しで負傷者が出たとの報道もある。千葉西警察署は状況を詳しく調べている。
BuzzFeed Newsは、会場にいた観客に当時の様子を聞いた。
将棋倒しの瞬間、何が起きたのか。
ライブ中盤の午後7時20分頃、ONE OK ROCKのメンバーは"サプライズ"演奏のために、前方のステージから後方のサブステージへ移動。
するとサブステージ付近に人が殺到し、倒れこんでいったという。女性のAさんは、将棋倒しが起きた瞬間について説明する。
「サブステージでの披露があるとわかった瞬間、周りにいた人が一斉に後ろに向いて走りだし、私も流れるままメンバーがいる方向に向かいました」
状況に気がついたメンバーが、サブステージの付近の観客に後ろに下がったり座ったりするよう指示を出した。しかし、Aさんは周りの悲鳴で、ステージからの声が聞こえなかったという。
「周りのキャーキャーした声で聞こえなく、気付いた時には前から何人もの人がなだれのように崩れてきて。後ろから人も来るため、下がることができずそのまま1番下になってしまったのです」
将棋倒しになったまま演奏が始まったため、周りの助けを得て起き上がるまで、時間が掛かったという。Aさんは、靭帯を損傷した。
男性Bさんによると、観客側から演奏を止めるよう声や合図があったが、演奏の中断、再開が数回繰り返されていた。Bさんは、当時の状況についてこう話す。
「見知らぬ人から水がほしいと言われたり、隣にいた人は途中退場したりしていました。会場の換気は悪かったです」
「救護室が溢れてしまっていた」
警備や救護体制はどうだったのか。
Aさんが幕張メッセの救護室に向かったときには、すでに15人ほどいたと話す。救急隊が来るまでは約1時間、そして救急車が来るまでさらに約30分掛かったという。
「救護室が人で溢れてしまい、外傷の人だけ救護室で、そのほかの人は外で診察など受けていたようです。熱中症の患者さんもいましたが、スタッフがとても少なく放置されてしまっている人もいました」
Bさんは、サブステージの対策はできたのではと話す。
「サブステージにメンバーが行くことにより、かなりの混雑は予想されたと思うので、そこは何らかの対策はしてほしかったと思います」
8日の状況を受けてバンド所属事務所のアミューズとコンサート主催者ソーゴー東京は「日頃よりライブ会場の安全のために、警備や救護体制は万全な状況でお客様を迎えておりましたが、今後、安全対策をより一層強化し、会場運営を行います」と各社にコメントしている。
9日も、予定通り午後5時から幕張メッセで公演を開催する。