向上心もない、野望もない。きゃりーぱみゅぱみゅ、ナナメ上の仕事論

きゃりーぱみゅぱみゅが独特な世界観を表現するのに、大切にしていることとは。

Jun Tsuboike / BuzzFeed

「人より向上心がないんですよねぇ、ずっと」

「そもそも『きゃりーぱみゅぱみゅ』自体が、みんなが『良いね』って言ってくれるものだとはそんなに思っていなかったんです」

独特なファッションで人気を集め、18歳でメジャーデビューを果たした、きゃりーぱみゅぱみゅさん。日本、そして世界で、現代のポップアイコンとして人々を魅了してきました。

デビューから6年。ネット炎上への考えかたや、アーティストとしてのものづくりへのプロ意識など、きゃりーぱみゅぱみゅさんが「自分らしさ」を表現するのに大切にしていることとは?冷静な熱意でBuzzFeed Newsに語ってくれました。


「自分の持ったリアルな感情」をぶつける

Jun Tsuboike / BuzzFeed

——きゃりーぱみゅぱみゅさんが “自分らしさ” を発信している場所といえばTwitterなどのSNSというイメージがあるのですが、なにかこだわったり、気をつけたりしていることは?

SNSなどでは、本当に素の自分を出していますね。「きゃりーぱみゅぱみゅだからこういうこと書こう、こういうの上げよう」っていうのは全然思っていなくて。友だちと行った場所や食べたものを気楽にあげてます。

でも、すごい炎上しやすい時代なので、安易にあんま発言しないようには一応はしていますね。

下手したらテレビで報道されたりもするし、Yahoo!ニュースなったり、友だちに心配されたり。めんどくさいから、気をつけています。

あ、でも週刊誌は人の人生狂わすなーとか書いちゃいますね(笑)。案の定、「あれどういうことですか」と週刊誌には追われちゃって(笑)。

そういう大変さもあるんですけど、自分の持ったリアルな感情はぶつけていきたいな、と思っています。

——ネットで自分を検索すると過去のインタビューで明かしています。批判を見かけることもあると思うのですが、そんなときはどうしていますか?

うーん。Mなのかもしれないんですけど、批判を見るとムカついて「もっと頑張るぞ!」みたいな気持ちが、結構湧いてくるんです。

なんなら、すごい良いことばっかり書いてあるのを見るほうが、不安になっちゃいます。賛否両論あるからこそ、人気もあるし一線で活動できる気は、すごくする。

まぁ結果、「いろんな人いるよな、こんなに日本にたくさん人いれば」というところに行き着いて。ホント、究極言っちゃうと「批判コメントとか書いている人……しょうもな!」みたいなことまでいっちゃえば、あんまり自分の中でズーンとくることもなくて。

批判する人がコメントを書いているうちに、面白いものを作っていきたいな、と割とポジティブに思っています。

それは、私も受け入れられない音楽とかあったりするから。みんなが好きな、万人にウケるようなことはやっていきたくはないな、と思います。

——ここまで割り切るには、かなりの自信が必要だと思うのですが、自信を持つのって難しくないですか?

性格としては、全然割と内気でシャイなんです。

だけど、作っていくものに対しては「これを思いつく人はいないだろうな」とか「これやったらみんな絶対楽しいだろうな」という自信は、結構あるほうだとは思いますね。

「あんまり向上心がないからこそ、悩みなくやってこれたのかな」

——きゃりーさんは、新しいものづくりにどんどんチャレンジしていますが、現在、アーティストとして足りないと思っているものはありますか?

人より向上心がないんですよねぇ、ずっと。例えば、今後の野望とかよく聞かれるんですけど、なんかまぁ最終的に幸せになれたら良いです、みたいな感じで。

でも、あんまり向上心がないからこそ、6年間悩みなくやってこれたのかな。

そもそも、きゃりーぱみゅぱみゅ自体がちょっとサブカルチャー寄りで、みんなが「良いね」って言ってくれるものだとはそんなに思っていなかったんです。

Jun Tsuboike / BuzzFeed

——デビューしてから6年目に突入しましたが、最初の年からなにか変わったことはありますか?

デビューしたての時は未成年だったので、なんかこう……たどたどしいなぁーみたいな感じで、ずっとやっていたんです。

20歳を超えて、打ち上げでお酒を飲めるようになってから、普段そんなにお話をしたことがなかったスタッフの方とも「今回照明がこうなんだよ」「電球でこういう人が入っているんだよ」と紹介してもらって。

ものづくりをしていく上で、自分一人だけじゃなくスタッフの方に支えられてここまで来たんだな、というプロとしての自覚を思いましたね。

——2016年もきゃりーさんのデビュー5周年を記念するイベントがたくさんありましたね。

中田ヤスタカさんと初めてツーマンライブをやったんですけど、それがすごい自分の中で良い緊張感だったのと、ライブパフォーマンスが成長したね、と言われるようになったきっかけです。

初めてのことにチャレンジして、すごい楽しかったです。

——いつもの緊張と、どんな違いがありましたか?

あんまり緊張は普段しないほうなんです。だけど、ツーマンライブだと自分一人じゃなく、2人でやっているんだという緊張感はすごいあって。

ソロだと緊張感があっても「ここで、自分が失敗したら台無しになっちゃうな」とかは、やっぱ思わないので。失敗しても一人だとカバーできるので。

——ツーマンライブの経験を生かして、コラボしてみたいアーティストとかいますか?

大原櫻子ちゃん、藤原さくらちゃん、家入レオさんとかが集まってライブをしていると聞いて「めっちゃ良いじゃん!」って思って。そういう層の女性アーティストと何かやってみたいな、というのは思います。

あとは、友達でも良いんですけどね。「水曜日のカンパネラ」のコムアイ、「SCANDAL」のMAMIちゃんとか、すごく仲良いので友達フェスをやってみたいなって思ってます。まだ、ちと2人しかいないんです(笑)。少ない……。あと、でんぱ組.incとか。3組しかいない(笑)。

でも普通にプライベートで会っている友達と、仕事するのってなんかステキだなーって。

——楽曲をプロデュースしている中田ヤスタカさんが過去のインタビューで、きゃりーさんとの会話が曲作りのヒントになっている、と話していますが、普段どんな会話をしているんですか?

面白い発見とか、最近はまっていることなど、自分のお話を中田さんと会ったときにはするようにしています。

また、中田さんも話してくれて、パソコンとか最新の電化製品に詳しかったりするんで、すごく情報交換し合ってますね。

——最近、きゃりーさんから持ち出した話は?

まだ1回も呼べていないんですけど、飲みの席にやたら中田さんを誘うようにしています。

中田さんとお酒を飲んでいたときに「いやぁ、もう。誘ってくれよ」「寂しいじゃんか」みたいなことを言っていたんです。

なんで、ほんと5回くらい連続で誘っていたんですけど、深夜にも作業されていたり、地方にいたりでタイミングが合わなかったんです。

近々、ふつうに音楽作るとか関係なしに、ご飯とか行きたいなと思っています。

新生活の応援ソング『良すた』

▲14th シングル「良すた」(読み:いいすた)の通常盤ジャケット。2017年4月5日発売。

——4月5日に発売するシングル『良すた』はイースターをモチーフにしていますが、曲に込めているメッセージは?

“イースター” と “良いスタート” を掛けているんですけど、歌詞には一回も”イースター”は出てきてなくて、ずっと”良いスタート”って言ってる。

なので、どちらかというと、新生活を良いスタート切って楽しく過ごせるような応援ソングかな、と思っています。

——イースターは日本ではあまり馴染みないですよねPVではどんなイメージ

今回、はじめて女性の監督とやらせていただいたんですけど、PVはイースターの国のお姫様みたいな体なんです。

いつも良い奴で正義のヒーローとして悪者を倒す作品が多かったんです。だけど今回は、ただただハッピーでポップなミュージックビデオじゃなくて、ちょっと陰湿な感じがジメジメ伝わってくるような内容ではありますね。

完全に自分がやってみたかったことを、今回『良すた』で入れ組んだ感じです。

Jun Tsuboike / BuzzFeed

——良いスタートということで、新生活を迎える人に向けて「これだけは避けたほうが良い!」などアドバイスはありますか?

あんまり信じないほうが良いかもしれないです、人のことを。結構信じやすくて、「あぁ、良い人!」と思っちゃうんですけど、やっぱり世の中良い人だらけではない。

一定の距離を保ちながら、いろんなことに半信半疑ぐらいのほうがバランス良い気がしますね。

——2017年にチャレンジしていきたいことは?

ちょっと変わったところでライブをしたいなぁ、とずっと思っていて。最近見に行ったのは、大阪にあるミス大阪というキャバレー。コンパクトで、80年くらい経ってる。今までキャバレーで生バンドとかで、ライブしてみたりするのも一回もなかったので、そういうのも良いかな。

サイズが200人とかすごいコンパクトなので、ファンクラブ限定とかになっちゃうかもしれないんですけど、今年どこかで、楽しいプレミアムライブみたいな感じでやりたいなと思います。

——最後に、自分探しをしている10代、20代の人たちへのメッセージをお願いします。

自分らしさはこれだなって、ビビッ!ときたのは16歳のとき。

友だちが結構ギャル系のファッションをしてて、わかんないけど適当に「なんでも良いやー」って感じで、全然自分を持っていなくて無理に合わせてた時期もあったんです。

でも、ある雑誌のスナップがきっかけで原宿系の雑誌を知って。そん時に「あ、これだ!!」「これは楽しいぞ!」とビビッ!とくるもんがあった。

「原宿のファッションがすごい好きなんだ!」「こういうお洋服着ていることが生きがいなんだ!」って思ってから、きゃりーぱみゅぱみゅとしても音楽活動をさせていただくきっかけが、16歳の時にあったんです。突然降りてきたりするものだと私は思う。

「なんか今はまだビビッ!とこないなー」と思ってる人も、焦らずゆっくーり人生を楽しみながら、やりたいことを見つけたりしたら良いんじゃないかな、と思います。

Jun Tsuboike / BuzzFeed

















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バズフィード・ジャパン ニュース記者
お問い合わせ Eimi Yamamitsu at Eimi.Yamamitsu@buzzfeed.com.
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