下流域で雨が降っていなくても警戒を 川の上流への豪雨で水位が後から急上昇

    河川の水位情報に注意を。

    九州北部への猛烈な豪雨で福岡、大分両県の広い範囲に特別警報が出ている。ネット上では「こっちは降っていないよ」などという書き込みもある。しかし、家の周りで降っていなくても、危険が迫っている可能性がある。

    現在、雨が強いのは福岡県南部、大分県西部。つまり、内陸部だ。海に向かって流れる河川の上流域にあたる。

    家が河川の下流域にあり、そこでは雨が降っていないとしても、上流域に大雨が降っていれば、その雨水は時間差で下流に流れてくる。すでに夜間で暗くなっており、気づかないうちに河川の水位が急上昇し、氾濫する可能性もある。

    周囲の河川の水位情報には注意する必要がある。国土交通省のサイト「川の防災情報」では、河川名などを検索して水位情報を確認することができる。

    ただ、暗い中での避難は危険。日本気象協会は以下のように呼びかけている。

    「暗くなって大雨の中の避難は危険です。暗く見えないだけでなく、大雨で音も聞こえにくく、崩れている道路に気づくのが遅れたりして夜中の避難中に被災することがあります」

    「もし、暗くなってから避難を検討する状況になってきたら、避難中に被災することも考えて避難するかを判断してください。自宅の周辺がすでに浸水しているなど外に避難するのが危険なときは、地下階や1階で寝ることはしないなど、自宅などの建物内で可能な限り高いところに避難する「垂直避難」をするようにしましょう」