【熊本地震】「割れたマンションは建築ミスではない」一級建築士は語る

    見た目だけに惑わされないで

    熊本を襲った震度7の地震の後、ある写真がTwitterで爆発的に拡散された。

    マンションに亀裂が入る、衝撃的な画像だ。テレビ局も一斉に報じた。この現象は、地震に対するマンションの脆弱さを示すものなのか。

    建物が弱いから、ヒビが入っているのではありません

    そう話すのは、建築設計事務所勤務の一級建築士だ。

    「エキスパンションジョイント」という構造で、建物が巨大だったり、重さがあったり、形がいびつな場合、建物を複数に分割し揺れに強くするのだという。

    「エキスパンションジョイントには、壊れることで衝撃を吸収するもの、吸収した後に元に戻るものとありますが、写真を見る限り、ちゃんと機能を果たしたことは間違いないと思います。これを見て設計ミスや施工ミスというのは、おかしいですね」

    絵にすると…

    全然わかってないよな こういうL字型のマンションだと二つの建物の揺れ方が違うから接続部はエキスパンションジョイントで繋いでるからそこだけ壊れるのはむしろちゃんと役割を果たしたってことなんだよね

    建築家の片山惠仁さんも、エキスパンションジョイントについて、こうツイートしている。

    建築物は全体としてバネのように振動しながら、振動エネルギーを熱エネルギーに変換しつつ、地震に耐えるシステムです。なのでユニット毎に適切に揺れる空間を確保するのが エキスパンションジョイントの役割です。

    衝撃的な写真は、「ちゃんとした建築」ゆえに生まれたものだった。