相次ぐハンドスピナーの事故 親たちは危険を訴えている

    小さな子どもの場合、喉に詰まらせる危険性があるという

    アメリカに住む23歳の母親、ジョヘリー・モレロスは、ハンドスピナーの取り外せるパーツを飲み込んで喉に詰まらせ、病院に運ばれた女の子の話を息子のカイデンにした。

    「私は息子に絵を見せて『ハンドスピナーのパーツを絶対に口にいれてはダメ』と言ったのです」と、米オレゴン州に住むモレロスはBuzzFeed Newsに語った。「息子はよく聞いていなかったのだと思います」

    モレロスの息子、カイデンは、母親がスーパーへ買い出しに行っている間、ハンドスピナーを使って遊んでいた。モレロスの妹がカイデンの面倒を見ていたが、カイデンはパーツをばらし、口の中に入れて、喉に詰まらせてしまった。

    カイデンは地元の病院に連れて行かれたが、体内からパーツをを取り除くことはできなかった。

    円形のパーツを外科手術で取り除くために、カイデンは別の病院に搬送された。

    「ものすごくゾッとしました」と、モレロス。「医師がチューブをカイデンの喉の奥に入れると、彼は血を吐いていました。彼が苦しんでいる様子を見るのは、本当に恐ろしかったです」

    2時間の手術の後、カイデンは唇が腫れ、喉の痛みがある状態で目覚めた。彼は翌日、何事もなかったかのように普通に戻ったと、モレロスは語った。

    モレロスは現在、ハンドスピナーは回収されるべきで、子供が飲み込んでケガをする危険性についての注意書きを入れるべきだと主張している。

    子供の安全を守るために活動するNPO「Kids in Danger」のナンシー・コウレス事務局長も、「もし、ハンドスピナーの小さいパーツがバラバラにできるようになっていて、そのことについてパッケージに注意書きがないのなら、リコールすべきです」とBuzzFeed Newsに語った。

    アメリカでは、子供用玩具に飲み込んで窒息する危険性がある場合、そのこと明記することが求められている。

    窒息の危険性をもたらす小さい部品とは、長さ5.71センチ、幅3.17センチの円筒形に収まる、あらゆるものだ。これは3歳以下の子どもが完全に喉を開いた時と、ほぼ同じサイズだ。

    米国消費者製品安全委員会(CPSC)の広報担当であるスコット・ウォルフソンは、ハンドスピナーのパーツを飲み込んだテキサス州の10歳の女の子の事例や、バラした円形部品を飲み込んだ他の子どもの事例を追跡調査していると、BuzzFeed Newsに語った。

    「子どもの窒息リスクは、当機関の優先課題なので、この事態を非常に深刻に捉えています」と、ウォルフソンは語った。「危険な目にあった人には、私たちの方にすぐに報告いただきたいと思っています」

    ミズーリ州に住む母親、キャロル・ウッズは、3歳の息子がハンドスピナーのパーツで指をケガしたとBuzzFeed Newsに語った。

    「チャーリーは、中指に小さいベアリングをはめたのです」とウッズは語った。息子は「ママ、取れないよ」と訴えていたという。取れなくなった部品を「薄い金属の部品」だったという。

    ウッズはパーツを息子の中指から取ろうとしたが、取れなかった。

    「あらゆる手段を試しましたが、いじればいじるほど、曲がり始め、皮膚を切ってしまったのです」

    ウッズは息子とERに行くことになった。ベアリングを切断するのには、2つか3つの道具を使ったという。

    ベアリングが外れるまでの苦難は「大変なもの」で「かなり恐ろしかった」と語るウッズは、他の親たちにも、潜在的な危険性について、もっとよく知ってもらいたいという。

    「ベアリングは子供たちが地面に落とすと外れてしまう、ということを知っていたらよいと思います」

    米国玩具協会の規制関連業務を指揮するジョアン・ローレンスは、小さなパーツが含まれるハンドスピナーのようなアイテムを、3歳未満の子供に対して、決して与えるべきではないと、BuzzFeed Newsに語った。

    「評判のよい玩具小売店でおもちゃを買いましょう。あなたがよく知っていて、信頼できるお店で買うのがベストです」と、ローレンスは付け加えた。

    「こうした小売店では、テストを経た、アメリカの厳しい玩具安全基準に準拠した製品を販売しているはずです。ハンドスピナーが大流行していて、自分の子供に買ってやりたいと思った時、露天商がそれを売っているのを見かけたとしても、そこで買うべきではありません」

    また、親が自宅でおもちゃを地面に落とし、小さなパーツが緩まないか試してみるのも有効だろう、とKids in Dangerのコウレスは付け加えた。

    「もしあなたがおもちゃを壊せるなら、あなたの子供も壊せるのだと考えたほうが良いのです」

    この記事は英語から翻訳・編集しました。