トランプ大統領、北朝鮮近くに原子力潜水艦を配置していると漏らす

    抑止力の維持のため、通常その位置を明らかにすることはない。

    米トランプ大統領が4月29日、比ドゥテルテ大統領との電話会談で、原子力潜水艦を北朝鮮近くに配置したことを漏らした。原潜の位置を秘密にしておくことは軍事政策上欠かせず、会談内容を知った国防総省職員は衝撃を受けている。

    「原子力潜水艦について話すことは絶対にない」。国防総省当局者3人はBuzzFeed Newsに打ち明ける。軍事政策上、原子力潜水艦の位置を秘密にしておくことは欠かせない。どこから攻撃されるか分からないようにすることで、相手の攻撃を思いとどまらせる抑止力となる。

    5月24日に公開された電話会談の記録によると、大統領2人は北朝鮮の核の脅威について話し合った。トランプ大統領はその中で朝鮮半島沖に原潜2隻を配置していることを明らかにした。

    ドゥテルテ大統領「最終的には、ラストカードは、エースは中国にある。中国だけだ。(金正恩・朝鮮労働党委員長は)爆弾で遊んでいる。おもちゃだ。見るところ、心は正常な状態ではない。この瞬間にも狂気に走るかもしれない。中国はやめさせるように最後の努力をするべきだ。そこで中国は非常に大事な役割を果たすだろう」

    トランプ大統領「我々はそこに多くの戦力を配置している。潜水艦2隻を配置している。世界最高のものだ。原子力潜水艦2隻を配置している。使用したいわけではないが」

    米当局者は、この会談記録は正確だと思われるとBuzzFeed Newsに話した。

    たしかに、米軍は原潜が帰還する48時間ほど前に、それを公表している。主に家族に知らせるためだ。だが、トランプ大統領が朝鮮半島沖に原潜が配置されていると明らかにするのは意味合いが違う。

    中国は対原潜能力を開発しており、米原潜2隻がこの海域にいることを知らせてしまえば、その能力をテストするチャンスを与えることになる。

    そもそも、ドゥテルテ大統領にこの情報を与える必然性は低かった。フィリピンは北朝鮮を巡る米の軍事政策に関わっていないからだ。

    トランプ大統領は大統領選で、アメリカは過激派組織「イスラム国」との戦いで、軍の計画を明らかにしすぎだと批判していた。

    この記事は英語から編集しました。