農家、プロレスラー、居酒屋経営… あの紅白出場グループは今

    音楽は鳴り続ける

    「ココロオドル」のヒットで2004年のNHK紅白歌合戦にも出場した、ヒップホップグループのnobodyknows+。

    メンバーの5人は農家や居酒屋など、それぞれに仕事を持ち、兼業ミュージシャンとして活動している。

    2000年代のヒット曲を集めたDJ和のミックスCD「ラブとポップ」に「ココロオドル」が収録されたことで再び注目を集める彼らに、「ヒットのその後」を聞いた。

    契約が終わって…

    ――2009年にソニーとの契約を終えてからの歩みをお聞かせください。

    DJ MITSU:スタジオ業務をしたり、中日ドラゴンズ関連の楽曲をつくったりしてきました。

    ノリ・ダ・ファンキーシビレサス:ソニーやめて、プロレスラーになって、先週引退しました(取材は10月23日)。

    うっかりプロレスラーに

    ――えっ。情報量が多すぎる。まずプロレスを始めた理由は。

    ノリ:地元・名古屋の今池商店街が街おこしでプロレスをやることになって、最初はゲスト解説で呼ばれたんですけど。

    「リングに上がれば」と言われて、そのまま惰性でデビューしました。本当にうっかりです。騙されました。

    ――うっかりプロレスラーに(笑)ではなぜ、引退されたのでしょう。

    ノリ:ずっと騙され続けてきたことに気づいたんです。というのはまあ冗談ですが、体力の問題もあるし、いつまでも続けられるものでもないですから。

    農業もやっているので、そちらをしっかりやりたいという思いもありました。

    ――プロレスと並行して農業もされていたんですね。

    最初は野菜の移動販売をしていました。まったく知らない世界なので、農家の人に教えてもらおうと思って。

    そうしたらそっちの方が楽しくなってきて、農家になっちゃいました。一般的な野菜をつくってます。いまの時期だったら白菜、キャベツ、レタスとか。

    4度の改名の果てに

    ――ホクロマン半ライス!!!さんは非常にたくさん改名されてますね。ちょっと整理したいのですが、HIDDEN FISH→漫☆画次郎→ちびまるお→魚太郎☆サラダ味→ホクロマン半ライス!!!という流れで合ってますでしょうか。

    ホクロマン半ライス!!!:合ってます! 年末にnobodyknows+主催の「出張ネバーランド」っていうイベントをしていて、そのネタで変えてます。

    ――一番定着した名前は。

    ホクロマン:どれだろう。そもそも呼ばれたことがないから、わからないですね。一度「まるちゃん」って呼ばれたことがありますけど。

    結局みんな、本名にちなんで「ナシ」って呼んでる(笑)

    ――また変わる可能性もある?

    ホクロマン:どうですかね。ノリ次第で。

    ノリ:僕らが飽きたら変える。彼に決定権はないんで。

    ――お仕事は。

    ホクロマン:ソニーやめた後フラフラして、MITSUさんがつくった「SOULGROUND」ていうお店で働いてました。

    そこで4〜5年、社員をやって、結婚のタイミングで独立して。いまは名古屋にある「ホルモン酒場 ちから」のオーナーをやってます。

    「SOULGROUND」時代は、ドラゴンズのスタジアムMCも2年ぐらいやってましたね。

    居酒屋やアパレルも

    ――ヤス一番?さんは最後にクエスチョンマークがつくんですよね。モーニング娘。のマル的な…。

    ヤス一番?:どういう理由でつけたのかもわからない(笑)

    ラッパーやりながら、「わかば屋」という名古屋の居酒屋のオーナーをやってます。来年で10年目ですね。

    ――オススメのメニューはありますか。

    ヤス:鳥と魚ですね。

    ――Crystal Boyさんのお仕事は。

    Crystal Boy:BPM-CLOTHING STORというセレクトショップのオーナーです。

    いろんな目線で作曲できる

    ――みなさんそれぞれに、音楽以外の分野でもご活躍されています。兼業ミュージシャンとしての生活はいかがですか。

    DJ MITSU:楽しいですね。いまは多い時で週2、3回ライブをやっている感じ。あまりに音楽だけってなってくると、目的が変わってきちゃうところがある。

    そういう意味では、仕事をやりながら、いろんな人の目線で歌詞が書けたり、曲ができたりっていうのはすごく意味があるなあと。ずっと続けていけるんじゃないかな、と思ってますね。

    ――CDが売れない時代にあって、音楽専業でやっていける人の数は限られてきているのでしょうか。

    DJ MITSU:限られてますよね。そこにしがみつくために、いろんなことをしなきゃいけなかったりとか。

    「今日だって畑に行きたい」

    ――むしろほかにお仕事があることで、音楽に対して純粋に取り組める面もある?

    DJ MITSU:はい。何が純粋かわからないですけど。そこで音楽に打ち込める時間があれば、なおいいですし。

    ノリ:まあずっと名古屋にいるんで、兼業とかあまり考えずに必然的にやってる感じはありますね。農家の仲間はみんな知っていて、応援もしていただいてますし。

    本当は今日だって畑に行きたいぐらいなんですけど(※取材当日は都内でライブ出演があった)。正直言って、痛いぐらい。でも、みんながいいよって言ってくれるから、こっちに来られたり。

    音楽は鳴り続ける

    ――ホクロマンさん、ヤス一番?さん、Crystal Boyさんはどうでしょう。

    ホクロマン:働かないと食べていけないので、普通にやってることですね。

    さっきまでライブに見とった人が、店にご飯を食べに来て、今度はこっちが「いらっしゃいませー」みたいな。

    変な気持ちにはなるんですけど、そういうのが普通だなと思って。

    ヤス:ウチの店も、マズくても来てくれるんで、ありがたいですよ(一同笑) 昔の栄光だけで食べてますから。「本当にマズイ」って書いといてください(笑)

    Crystal Boy:大好きでやってたハズなのに、毎日音楽をやりすぎて流れ作業と変わらなくなりかけてた時があって。いまはすごく感謝してライブができてるんで、楽しいですね。

    ――いまもココロおどってますか?

    全員:おどってますよ!