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副大臣、HPVワクチンはいつ積極的勧奨を再開するのですか?

厚労省が積極的勧奨を差し控えて7年7ヶ月となるHPVワクチン。昨年は9価ワクチンの承認、男性接種への拡大と色々ありましたが、接種率の回復はまだまだです。三原じゅん子副大臣にこのままでいいのか聞きました。

子宮頸がんや肛門がんなどの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)への感染を防ぐHPVワクチン。

2020年は、現在使われているワクチンより効果の高い9価ワクチンの承認男性接種への拡大対象者への個別のお知らせの再開など様々な動きがありました。しかし、未だに積極的勧奨は差し控えられています。

このままでは日本はワクチンで防げるがんを防げない医療後進国のままです。

Naoko Iwanaga / BuzzFeed

HPVワクチンでがんを防いでほしいと呼びかける三原じゅん子厚生労働副大臣

自身も子宮頸がんにかかった経験があり、この問題をライフワークの一つとしている三原じゅん子厚生労働副大臣に、このままでいいのか話を聞きました。

コロナで明らかになった世界と日本のワクチンへの意識の違い

ーー昨年はコロナ禍で未曾有の忙しさだったにもかかわらず、厚労省は自治体への個別通知の指示、9価ワクチンの承認、男性接種・肛門がんへの適応拡大と、HPVワクチンに関する施策をかなり前進させました。このタイミングでやっと動き出した理由についてお聞かせください。

2019年に自治体と国民に対して、HPVワクチンの理解が進んだか「HPVワクチンの情報提供に関する評価」の調査をかけていて、結果が出ました。まだまだ国民への理解が行き届いていないなということを憂いていました。

その一方、9価ワクチンの審査はあまりに長くかかっていましたが、昨年、承認されました。また、世界的な状況を考えて、男性へのHPVワクチンの適用拡大は承認されました。

一つ一つ、着実に進めてこれた1年だったのかなと思います。

また、肌感覚ですけれども、国民の理解も、そしてHPVワクチンへの見方・考え方も、私はだいぶん変わってきたような気がしています。

こうやって一つ一つ進めていくことも大事ですし、同時に新型コロナウイルスの流行で、それぞれ、みなさんが健康や命について改めて考える時間があったのではないかと思います。

それに今、まさに新型コロナのワクチンの話もあります。世界があのような形でワクチンをすごいスピードで研究し、承認し、接種まで行きました。

そのことを思えば、日本はワクチンに対する考え方がちょっと世界と違うのかなということを、国民のみなさんの中でわかる方はわかっている。気づいているのではないかなと個人的に思いました。

ーー今、おっしゃった社会全体のHPVワクチンへの考え方が少しずつ日本でも変わってきたことが、厚労省が政策を推し進められた背景の一つにあるということですか?

やはり、HPVワクチンだけでなくて、ワクチン全体の重要性というものを世界全体で考えた時期なのではないでしょうか。

ーーコロナで忙しいから、今はHPVワクチンについては進められないと言い訳にすることもできた。その時にあえて進めたのは、ワクチンの重要性が認識された影響もあったのですかね?

そうですね。

1月中に再び自治体に個別通知を促す

私は何よりも今回、一番進んだのは自治体の個別通知だと思います。対象者に、個々に通知を出してくださいという通知を出したことはものすごく大きかったと思っています。

ーー自治体の個別通知はどれぐらい進んでいるのですか?

厚労省が自治体に通知を出したのですが、ちゃんと個々に通知が届いていないところもあると聞いています。

ーーどれぐらいの自治体が対象者に通知を送ったのか調査はしていないのですか?

やっていないです。なので、私の方から再度、通知を出すよう指示しました。まだ行き届いていないようなので、再通知です。今月中に出す予定です。

ーーそれを出した後に、どれぐらいの自治体で通知したか調べるのですか?

はい。

積極的勧奨、いつ再開するの?

ーー積極的勧奨の差し控えは7年半以上続いています。再通知で国民への情報提供も進むと思われますが、そろそろ審議会で積極的勧奨再開も検討されるべきではないでしょうか?

今回、再度の通知をして、その後、調査することになると思います。そうなると、自治体も今までとはこのワクチンに対する考え方を変えていかなければならなくなると思います。

私としては科学的なエビデンス(根拠)は十分そろっていると思う。だからこそ、国民のみなさんの考えが変わって、風向きが変わりました。

だけど、まだ国民の理解が足りない。ここが問題なんだと思います。

もちろん積極的勧奨が再開されることは絶対に必要だと思います。

しかし、再開しても接種していただけない、ちゃんとした理解を得られていない状況で再開するということではいけない。エビデンスは完璧で、もう一つ国民の理解の両方が備わった時に再開したい。

ここまで約8年、ここまで丁寧によくやってきたなという丁寧さです。「良く言えば」ですけれども。

厚生労働省

厚労省が2020年に改訂したHPVワクチンに関するリーフレット。このワクチンについての説明がよりわかりやすくなったと評価されている

本気で対象者に接種するかどうかを選択する機会を持ってもらうには、もう少しの国民の理解が必要です。

そのためにも厚労省の「HPVワクチンに関するリーフレット」の改訂をしました。私にとってはこだわりがありましたし、本当にわかりやすくなったと思います。細かいところは言いたいこともありますけれども。

でも風向きは変わってきているので、今一度、国民の皆様に正しい情報提供をしていかなければいけない。そのきっかけにこの通知がなってくれればと思います。

そして、それぞれの地域の議会でどんどん話題になって、いろんな議論がなされる。議論されることが大事なんだと思います。

積極的勧奨再開にまだ何が足りないというのか?

ーーもし現時点で積極的勧奨再開を検討しないならば、これ以上、何が必要なのだと考えていらっしゃいますか?

国民の理解が足りない。足りないというか、国民の理解をもう少し得てから、審議会を開くということにしないと、結果が......。

厚生労働省

厚生労働省のHPVワクチンの説明リーフレットには「接種をおすすめするお知らせをお送りするのではなく」という言葉が残る

ーーこの改訂されたリーフレットにも「積極的にお勧めするお知らせをお送りするのではなく」という言葉が残っています。これを読んで迷う人もいると思います。まずは積極的勧奨を再開して、この文言を削除した方がいいと思いますが、再開には、まだ足りないことがあると厚労省は考えているのですね。

そうなんです......。何が足りないのでしょうね.......。

科学的なエビデンスがこれだけ揃っています。因果関係云々と言えば、それはきりがないです。

なので、私は無理にうってくださいとお願いするわけではない。ご本人、定期接種の対象者が選択できる通知をまず送って、そこで正しい情報を与える。それが何よりも早くやるべきだし、重要だと私は思います。

ーー厚労省が2013年6月に積極的勧奨を差し控えるよう自治体に出した通知(2020年10月9日改訂)には、「国民への情報提供を進めつつ、積極的な勧奨の再開の是非を改めて判断する予定である」と書かれています。対象者にリーフレットが十分行き渡ったら再開を検討するということですか?

今あるエビデンスを伝えることが国民の理解を得るために一番有効だと思います。

(ワクチン接種と接種後に訴えられている症状は関係ないことを示した)名古屋スタディや、(ワクチンが浸潤子宮頸がんを減らしたことを示す)スウェーデンの研究など色々な論文をみなさんにお伝えすることです。

特に名古屋スタディが重要だと思いますが、そういう情報提供が足りていない。リーフレットだけでは詳しく伝わらない。諸外国でも日本でも色々な研究が出ていますね。そういうことを伝えた方が国民の理解を得られる。そういうことを広めていかないとだめですよね。

ーー再通知でリーフレットが十分行き渡ったとしても、副反応検討部会で積極的勧奨の再開は検討しないのですか?

何をもって国民の理解が得られた、となるのか。私はこの通知の影響の調査だと思います。

通知をしたことによって、どれぐらいの人が接種するのか、あるいはどれぐらい製薬会社にワクチンのリクエストが増えるのか、色々あると思います。この情報提供によって何がどれだけ動くかということを見ないといけません。

前回の「HPVワクチンの情報提供に関する評価」の調査は1年半前です。1年半前と今は全然風向きが違うと思うのです。

この個別通知はものすごく大事で、私は期待していたのですが、自治体がなかなか腰が重いと聞いています。

ーー厚労省が昨年10月9日に自治体に、対象者に個別通知を送るよう通知しても、自治体はすぐ予算をつけられなかったという声も聞こえますね。

だから再通知は、2月議会を狙っているのです。だから今月中に絶対に送ってほしいと指示しています。

ーーではその再通知を送って、その影響を見た上で、ということですね。

そうですね。その後調査をする。ただ、私も(副大臣でいる)時間に限りがあるんですよね(笑)。

チャンスを逃した女子へのキャッチアップ接種は?

ーー厚労省が積極的勧奨を7年半以上、差し控える指示を出していることで、自治体の個別通知が届かず、このワクチンがあることさえ知らずに接種するチャンスを逃した女子たちがいます。国の責任として後からでも受けられるようにする「キャッチアップ接種」を行うべきだという声が当事者や専門家から訴えられていますが、厚労省としてはどのように考えますか?

厚労省としては、再開してその後に色々な手続きが必要になってくるだろうということです。

Peter Dazeley / Getty Images

うち逃した女子にもうてる再チャンスを

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「リーフレットを活用した情報提供を進めつつ、審議会の議論も踏まえながら引き続き必要な検討を進めて参ります」(と役所が作った想定問答の回答を読みあげ、ため息をつく)。

でも、対象者がワクチンのことを知らなかったというのはショックですよね。知らない間に自分が(無料でうてる定期接種の)対象者だった時期を過ぎてしまうというのは、その方たちの気持ちになったら「なんとかしてほしい」と思うのは当然だと思う。私はそう思います。

ーーその間、お知らせをする責任を怠っていた行政の責任はありますよね。

でしょうね。

ーーそれに対する何らかの対応は検討するべきでは。

それは検討しなければいけないでしょうね。私は検討すべきと思いますけどね。

ーーうち逃した大学生の女の子たちは、「お金がないから5万円の費用なんて払えない」と嘆いています。そんな子たちに、日本は「自分でうて」という国なのでしょうか? 海外ではうち逃した人へのキャッチアップ接種を導入しています。

そうなんです。大学生たちが「HPVワクチンの積極的勧奨再開を目指す議員連盟」で(救済策を訴える)ビデオを見て涙が出そうになりましたけれども、「何でもっと早く教えてくれなかったの?」というのが絶対本音ですよね。

(性的な行為の)デビューをする前にうつことが一番有効なのに、それすら知らずにいる。効果を考えれば、1日も早くうつべきです。そういう風に彼女たちに寄り添いたいと私は思います。

(続く)


Naoko Iwanagaに連絡する メールアドレス:naoko.iwanaga@buzzfeed.com.

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