アメリカ映画界の最大のイベントの一つ、アカデミー賞。演技部門にノミネートされた20人がすべて白人だったことが問題視されている。白人のみは、2年連続。人種差別だとして、俳優らが2月28日(現地時間)にハリウッドで開かれる授賞式のボイコットを続々と表明している。
アカデミー賞とは
米アカデミー賞は映画芸術科学アカデミーが主催。賞の選考メンバーは俳優ら映画業界の人たちで構成されている。
ノミネートの偏りの元凶とされるのが、選考メンバーの多様性の低さ。ロサンゼルス・タイムズ紙は2012年、白人が94%、男性が77%を占めると伝えている。
映画芸術科学アカデミーは1月14日、ノミネートを発表した。だが、高まる非難を受けて1月22日、2020年までに白人以外や女性のメンバーを倍増すると発表する事態に追い込まれた。
ボイコットを表明した俳優たちはこちら
ウィル・スミス
この前日に妻がボイコットを表明している。俳優で歌手のジェイダ・ピンケット=スミス
映画監督スパイク・リー
Instagramで授賞式に出ないことを表明した。
「2年連続で演技部門の20人全員が白人なんてことがどうして起きるんだ」
スパイク・リーがInstagramを投稿した1月18日はアメリカで人種問題に取り組んだキング牧師を讃える日だ。スパイク・リーは投稿で牧師の言葉を引用した。
キング牧師は 「安全でもなく、政治的でもなく、人気でもない立場をとらなければならないときがある。良心が正しいと教えるからだ」と言った。
翌日も投稿
スパイク・リーの投稿は翌日も続いた。皮肉を込めつつ、「多様性あるアメリカ」の実現を訴えた。
アフリカ系アメリカ人にとって、ハリウッドスタジオのトップになるより、大統領になるほうが簡単だ。
俺の子どもたちの世代には全てのアメリカ人の地位が向上することを願っている。素晴らしい多様性のあるアメリカだ。
ボイコットしないが、支持を表明した俳優たちもいる。
マーク・ラファロ
式に出席はするが、ボイコットは支持するとツイート
タイリース・ギブソン
授賞式の司会者のクリス・ロックに多様性の欠如について「発言する」ように勧め、Instagramでボイコットへの参加を呼びかけた。
ラッパーのスヌープ・ドッグ
白人によるアカデミー賞独占は、Twitterでもハッシュタグ#OscarsSoWhiteを使って、問題視する投稿が相次いでいる。