• covid19jp badge

冗談だとしても「削除を要請」。新型コロナの問題ツイートに対して日本でも

機械学習や自動化の強化と合わせて、人の目によるレビューを行う。アメリカ同様、日本でも信頼できるパートナーと連携していく方針だ。

新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、ネット上に広がる様々なデマや、誤情報。

こうした問題に対処するため、Twitter Japanが対応策を3月23日、発表した。アカウント凍結などの対策をこれまでより強化するほか、問題のあるツイートについては「削除を要請する」という。

同社の発表によると、新型コロナウイルスの感染拡大で誤った情報が拡散していることを鑑み、より多くの強制的対応が取れるよう「危害」の定義を拡大する。

これまでTwitterでは自動的に「攻撃的な内容や意図的な情報操作の可能性があるコンテンツ」などに対し、アカウントの凍結などの対応をとってきたが、この対応をより強化することになるという。

また、新たに「人の目」によるレビューを導入する。このレビューでは、新型コロナウイルスに関し、効果がない治療法をすすめるツイートやパニックや社会不安を広げるツイートが確認された場合、「削除を要請する」という。

また、レビューに関しては、人々の報告に基づいて行うのではなく「信頼できるパートナー」と連携する方針だ。

アメリカでは「公衆衛生機関や各国政府を含め、信頼できるパートナーと密接に連携してルールの徹底」を図っていくといい、日本でも「信頼できるパートナーと連携」をしながら削除要請を進めていくという。

こうした対策は段階的に拡大されていくといい、同社は「きちんとしたシステムが完成するまでの間、今しばらく根気よくお付き合いください」としている。

具体的な対象ツイートは…?

今回の「削除を要請」する対象となるのは、「コロナウイルスは熱に弱いので外を歩くだけで感染を防げる」などを含む、以下のような11種類のツイートだ。

Twitterは「たとえ冗談であったとしても」、こうしたツイートについて対処することを明言している。

(1) 感染の可能性を減らすための国際的または各国の公衆衛生当局による勧告を否定するもの

例)「社会的距離戦略を取っても効果がない」

(2 )危害には直結しないが効果がない治療法や予防法

例)「コロナウイルスは熱に弱いので外を歩くだけで感染を防げる」「アロマセラピーやエッセンシャルオイルはCOVID-19に効果がある」

(3) 効果がなく危険性のある治療法や予防法

例)「漂白剤を飲んだり、コロイド銀を摂取したりすればCOVID-19は治る」

(4) 国際的もしくは各国の公衆衛生当局によって実証された科学的事実を否定するもの

例)「子供が発症した例は一切なく、COVID-19は子供には感染しない」

(5) 人を特定の行動に走らせることを意図した情報

例)「コロナウイルス騒ぎはウソで、実在などしていない。外に出て、地元のバーを潤そう!」「手洗いの奨励についてのニュースは消費財メーカーのプロパガンダ。手を洗うのを止めよう」

(6) パニックや社会不安を広げる発言や信憑性を確認できない発言

例)「たった今、国家警備隊が今後2カ月間、一切の食糧が入荷しないと発表—すぐにスーパーに急いで、ありったけのものを買いましょう!」

(7) 政府や公衆衛生機関あるいは当局者のなりすましによる特定の発言や信憑性を確認できない発言

例)イタリアの防疫官をもじったアカウントで「イタリアの隔離措置は終了」と宣言すること

(8) 診断基準や手順についての誤った、もしくは誤解を招く情報

例)「10秒間息を止めていられれば、コロナウイルスに感染していない」

(9) COVID-19と別の病気の違いについて、間違った主張や誤解を招く主張をして、誰かを断定的に病気だと決めつけるような情報

例)「湿った咳なら違うが、乾いた咳ならコロナウイルス」「コロナウイルスに感染すると通常の鼻水とは違って、溺れそうになるくらい鼻水が出る」

(10) 特定のグループ、国籍の人が感染しないと主張すること

例)「黒い肌の人たちは、メラニン生成のおかげでCOVID-19に免疫がある」「コーランを読めば、COVID-19に感染しない人になる」

(11) 特定のグループ、国籍の人が感染しやすいと主張すること

例)「中国人はCOVID-19に感染している可能性が高いから、中国人が所有する企業は避けよう」

削除要請に応じない場合は?

なぜ、こうした対策の強化が行われたのか。Twitter Japanの広報担当者は、BuzzFeed Newsの取材に対し経緯を説明する。

「全世界が前例のない公衆衛生上の緊急事態に直面するなか、公共の会話に貢献するためにTwitterがどのような課題に直面しており、どのような緊急時対策を行えるかを考えたからです」

では、なぜ問題のあるツイートを削除するのではなく、「削除を要請」する形での対応となるのだろうか。

「どのような内容がポリシー違反になるかをより広く知っていただく機会とも位置付けているため、あくまでも当該ツイートをした方に削除の要請を行います」

Twitterが削除を要請しても、削除されない場合についての対応については「その内容や状況、そして文脈にも関わってくるため、措置の具体例は申し上げられません」とだけ回答した。