国土交通省が最新の通勤電車混雑ランキングを発表
国土交通省が7月17日、日本全国の状況をまとめた最新版の列車混雑率調査(2017年度版)を発表しました。わたしたちが通勤や通学で毎朝乗っている路線は、日本で何番目に混んでいるのでしょうか。ワースト10をご紹介します。
10位 JR中央線快速
8位(同率) 東急田園都市線
8位(同率) JR埼京線
7位 JR京浜東北線
5位(同率) JR東海道線
5位(同率) 日暮里・舎人ライナー
4位 JR南武線
3位 JR横須賀線
2位 JR総武線各駅停車
1位 東京メトロ東西線
さて、首都圏以外は?
以上、ワースト10は全て首都圏でした。
関西でのワーストは阪急神戸本線(神崎川→十三間)の147%、次いで大阪市営地下鉄・御堂筋線(梅田→淀屋橋間)の146%でした。
中京圏では名鉄本線の神宮前→金山間、栄生→名鉄名古屋間、犬山線の下小田井→枇杷島分岐点間が143%の同率で並んでいます。
また、福岡の西鉄貝塚線(名島→貝塚間)は152%の混雑です。
これは2両編成という輸送力の低さに原因があるようです。
広島地区では通勤・通学路線に大きな被害
そして、今回の豪雨で大きな被害を受けた広島県では、JR山陽線の西条→広島間が103%と3大都市圏から見れば低い混雑率ですが、土砂崩れや路盤の崩壊で線路が大きな被害を受けており、通勤・通学客の多い山陽線や呉線、芸備線の全面復旧には相当の時間がかかる見通しです。
当面はバスなど代替手段による通勤や通学となりますが、大変な日々が続きます。一日も早い復旧を祈ります。
小田急は数値が一気に改善し、ランク外に
ここまでランキングをご覧になって、「あれ?」と思った方はいらっしゃいませんか。
そう。前年度調査では全国ワースト3で、首都圏で長らく混んでいる列車の代名詞だった小田急小田原線が、今回は登場しないのです。
国土交通省に問い合わせたところ、その理由は年度の終わりに当たる2018年3月に完成した複々線化事業でした。線路が増えたことに伴う大幅なダイヤ改正で輸送力が増え、混雑率は151%まで改善し、ワースト10から外れました。
とはいえ、小田急での通勤が大幅に楽になったという話は、あまり聞きません。この感覚のズレは、なぜ起きているのでしょう。
国交省の担当者によると、混雑率とは、路線の1時間あたりの輸送力を乗客数で割ったもので、いわば平均値。個々の列車の混雑度を示したものではありません。「だから、乗る列車によって違いが出る可能性がある」といいます。
小田急は分散乗車が狙い目
小田急電鉄の広報担当者は「列車種別により混雑率にばらつきがあり、駅によっては、例えば快速急行に乗客が集中したりする。しかし、その前後の各停や急行などにお乗りいただければ、今までよりも空いている可能性が高くなります。一方で新宿や代々木上原への到着時間はそれほど変わらないため、いまはお客様に分散乗車をPRしています」と話していました。
小田急沿線の方は、少し早めに出て準急や各停など別の種類の列車に乗れば、以前のような混雑を避けられるかもしれない、ということのようです。