各国で新型コロナウイルスの感染が拡大している。現在、海外にいる日本人で、感染の疑いがあり医療機関を訪れる人や、日本に住む外国人で言葉が分からない人もいるかもしれない。
旅行先での会話が「本を指させばできる」と高い評価を受けている「旅の指さし会話帳」を作る情報センター出版局が4月2日、「新型コロナウイルス対応 指さし会話」を公開した。
会話シートは13カ国語で新型コロナウイルスに関わる単語やフレーズがイラストと共に書かれており、PDF7ページでまとめられている。
患者側も医療関係者側も、単語やイラストを指でさしてコミュニケーションが取れるようにデザインされている。
「陽性・陰性」「潜伏期間」などコロナウイルスに関わる単語や「検査を受けたい」などのフレーズがまとめられている。
単語や会話の訳が書かれているのは、中国語簡体字、台湾華語、韓国語、英語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語、イタリア語、フィリピン語、インドネシア語、ベトナム語、タイ語(表記ママ)の13言語。
情報センター出版局の担当者はBuzzFeed Newsの取材に対し、新型コロナウイルス対応の指さし会話を作った理由をこう語る。
「日本にいらっしゃる海外の方は異国の地で不安だと思います。また、海外で日本人が感染した場合でも『親子で別々で離れている場合などがあり心配』という声があり、作成しました」
社内で協議し、イラストレーターなど皆の協力で出来上がったという。
PDFは無料で公開されており、ウェブサイトからダウンロードできる。
同社は、2011年の東日本大震災の際に、災害発生時に特化した「指さし会話」ツールを作り、それ以降も何度もアップデートして公開してきた。
2019年夏の大雨災害が発生した際も、災害時や避難所で使える多言語での指さし会話ツールを出していた。
同社のウェブページでは「母国ではない国で、言葉が分からず不安になっている方々がたくさんいます。医療機関や異国での日常生活において必要な言葉を収録していますので少しでもそういった方々のお力になれば嬉しく思います」としている。